研究課題/領域番号 |
18K08560
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
宮城 久之 旭川医科大学, 医学部, 助教 (50596442)
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研究分担者 |
本多 昌平 北海道大学, 大学病院, 助教 (90588089)
荒 桃子 北海道大学, 大学病院, 医員 (30741219)
池田 哲夫 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (60585701)
高桑 恵美 北海道大学, 大学病院, 医員 (20646244)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 直腸肛門奇形 / 組織立体再構築 / エピゲノム解析 |
研究実績の概要 |
研究代表者らはレチノイン酸(RA)を過剰投与して直腸肛門奇形(ARM)マウスを作成し細胞の発現や分化を制御するSonic hedgehog(Shh)やBone Morphogenetic Protein 4(BMP4)といった遺伝子蛋白の直腸肛門領域での発現について検討してきた。一方で正常肝細胞および肝芽腫腫瘍検体のDNAメチル化プロフィールに基づく解析と発現アレイ解析で得られた遺伝子を照らし合わせることによってがん抑制遺伝子を抽出する研究方法を確立してきた。今回ARMマウスでARM発生過程の基盤となる排泄腔形成から正常な後腸分化誘導の阻害過程および骨盤内臓器群が協調発生するメカニズムについて、Shhを受容した細胞が遠位尿道上皮に特異的に発現するCre遺伝子を取り込み移動し分化・増殖していく過程を組織立体再構築の手法を用いてエピゲノム解析による分子生物学的発生機構の解明を行うことにある。 本年度はマウスに催奇形性物質であるレチノイン酸(RA)を過剰投与し直腸肛門奇形(ARM)マウスを作成と、RA receptor antagonistであるLE135を投与し胎仔において直腸肛門奇形や尾の形態異常誘導の可否につき検討する予定であった。 研究代表者は2018年4月より北海道大学から旭川医科大学へ異動となり、場所、機材の調達などから開始している。さらに、旭川医科大学動物実験施設が全面工事中であり、代表者は2018年10月よりようやく仮の実験施設でマウスを飼育することが可能となった。早速、ICRマウスを購入し交配による鎖肛モデルマウス作製の確認作業を行っているが、現時点でLE135投与には至っていない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者は2018年4月より北海道大学から旭川医科大学へ異動となり、場所、機材の調達などから開始している。さらに、旭川医科大学動物実験施設が全面工事中であり、代表者は2018年10月よりようやく仮の実験施設でマウスを飼育することが可能となった。早速、マウスを購入して、準備段階の実験を開始しているが、2019年度は遅延分を修正し、作業効率を上げてすすめていきたい。なお、今年度の期間を利用して国際学会を含めたいくつかの学会で、自らも発表しつつ情報交換を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、遅延していた、RA receptor antagonistであるLE135を投与し胎仔において直腸肛門奇形や尾の形態異常誘導の可否につき検討し、当初の予定通り、組織立体再構築の手法を用いて遠位尿道上皮近傍の上皮に特異的に発現するCre遺伝子を取り込んだShh受容細胞の位置をin vivoで追跡することに着手する。 遅延に対する策としては、当院含めた病理部のスタッフの協力を得て作業の効率化を図りたい。 2020年度は予定通り、採取された直腸尿道瘻検体パラフィン包埋(FFPE)切片からARM組織、ARM rescue組織よりそれぞれmicrodissectionによって核酸(DNA,RNA)を分別回収し、メチル化ビーズアレイ解析およびmRNA発現アレイ解析を行う。直腸肛門領域のみならず泌尿生殖系器官も含めどのようにして細胞移動・増殖を経て性質の異なる複数の器官に分化していくかを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者は2018年4月より北海道大学から旭川医科大学へ異動となり、場所、機材の調達などから開始している。さらに、旭川医科大学動物実験施設が全面工事中であり、代表者は2018年10月よりようやく仮の実験施設でマウスを飼育することが可能となった。 2019年度は組織切片スライドの作成およびスライドスキャンの機器の購入を予定しており、遅延分を取り戻す方針である。
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