研究課題
レチノイン酸(RA)を過剰投与して直腸肛門奇形(ARM)マウスを作成することに成功した。実体顕微鏡を用いて観察した。続いて、組織のスライド連続切片を300枚作成し、マッソン染色を施行した。染色は三次元構築がスムーズにいくように染色ムラが出ないように細心の注意を払った。スライドをスキャンしてデジタル・データを解析した(Amira(マックスネット, 東京))。三次元構築後にそれぞれの組織ごとに分けて観察を行い、直腸尿道瘻を確認した。立体的に胎仔の直腸尿道瘻の存在、ARMの発生を証明した。また、周囲の筋群や脊髄神経についても評価した。脊髄病変を確認し、やはり、直腸肛門奇形と脊椎・脊髄の奇形に何らかの相関があることが示唆された。さらに、細胞の発現や分化を制御するSonic hedgehog(Shh)やBone Morphogenetic Protein 4(BMP4)といった遺伝子蛋白の直腸肛門領域での発現について検討した。今回の研究においては、Shh染色では口腔側では正常マウスとの明らかな違いを認めたが、直腸側の腸管においては有意な差は認めなかった。BMP4染色では直腸側腸管に、ARMモデルマウスに発現の上昇を認めた。これらのことからARMの発生は、単一の主要な遺伝子によるものではなく、BMP4など複数の遺伝子のスプライシング、DNAメチル化、または転写因子の結合を変化させるSNPs(Single Nucleotide Polymorphism)によって、ARMが誘導されると考えられた。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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