研究課題
POEM手技を用いた新規ルート開発し、経食道粘膜下層から後腹膜から腹腔内への到達ルートを定型化した。軟性内視鏡を使用し、経口的に肝臓、胆嚢、腎臓、胃(漿膜側)、副腎、膵臓などへの到達を安定させることが可能となった。また経食道から胸腔内、縦隔内への到達方法も定型化することが出来た。そのあとは、まず、副腎や、腎、肝臓などから小さく部分切除を施行し、それぞれの組織片を体外へ取り出す実験を施行した。最終年度は、既存の開胸や、開腹方法との生体侵襲や組織侵襲に対する比較を行ったが、組織に対する侵襲性は病理学的には比劣勢性はなく、組織診断は可能であることが分かった。しかし経口的に組織を摘出するため、摘出サイズに限界があり、体重50kgの家畜ブタのサイズでは大きいものでも直径2㎝程度が限界であることが分かった。しかし、そのサイズであれば、軟性内視鏡の鉗子から挿入した切開デバイスでの切離が十分可能で、腹腔内からの摘出にはネット鉗子などを使用し摘出が可能であった。組織標本の組織評価では組織片縁の熱変性は認めるが、既存の電気メスなどを用いた摘出方法で生じる組織編成と有意な差は認められなかった。予定していた既存の組織摘出ルートである開胸方法でのブタに対する生存実験は、経食道ルートでも、既存の方法でも開胸してしまうと、数時間で絶命してしまい、一週間の生存実験は不可能であった。この問題点を解決するため、分離肺換気による片肺換気による麻酔方法などが必要と思われた。
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