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2018 年度 実施状況報告書

バイオシートを用いた完全自己組織からなるヒト心筋組織の構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K08565
研究機関信州大学

研究代表者

和田 有子  信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (30419410)

研究分担者 岡田 健次  信州大学, 医学部, 特任教授 (90284356)
中山 泰秀  大分大学, 医学部, 客員研究員 (50250262)
小松 正樹  信州大学, 医学部附属病院, 医員 (70816131)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードバイオシート / 生体内組織形成術
研究実績の概要

本研究は、生体内組織形成術(in body tissue architecture, IBTA)を用いて作られたバイオシートをモデル動物の左室心筋に移植し、バイオシートが心筋の人工組織充填材となりうることを示すことを目的としている。この人工心筋組織は、完全自己組織から作られるため免疫応答や感染といった問題がないうえ、自己組織と癒合し、栄養血管を自ら形成しつつ、個体の製法に伴って成長するという利点を持つ理想的な組織補充材である。本研究によりこのバイオシートが、吻合に耐えうる強度と柔軟性、および左室充満圧に対抗できる十分な厚さと強度を持ち、native心筋と電気的に結合し収縮する代替心筋となることを動物心移植モデルにより検証し、バイオシートに侵入する細胞の由来を明らかにする。

本年度は(1)異所性心移植モデルの作成:ドナー(バイオシートを心筋壁に置換する側)となるモルモットの心臓を摘出し、移植後に左室内に圧がかかるよう顕微鏡下に肺静脈の1本と上行大動脈を10-0ナイロンで端側吻合する処理を実施。その心臓をレシピエントモルモットの腹部へ(腹部大動脈と上行大動脈の吻合、腎動脈下下大静脈と肺動脈の吻合により)異所移植し、移植心の拍動再開および左室内圧が確認できるモデル法を検討・確立、(2)バイオシートの作成:ドナーモルモットの背部皮下にサイズの異なるアクリル製筒状基材を埋入、異なるタイムポイントで基材内部に形成されたカプセルを摘出し、バイオシートの厚み等の検討、を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

モルモット異所性心移植モデルの作成法の検討・確立に時間を要したため、同一個体によるバイオシートの作成および心筋壁の置換にまで至らなかった。しかし、現在ではモデル作成法が確立し、バイオシートの作成も進行中である。

今後の研究の推進方策

バイオシート作成およびそれを同個体の心筋壁への置換した心臓を、レシピエント動物へ異所移植し、移植後の経時的評価(エコーによる移植部位の収縮率および瘤化の有無、壁厚測定など)、電気的検証(皮下に電極を埋め込み連続心電図の測定を行い不整脈の発生を確認)、組織学的評価(移植後1,3,5か月後に心摘出を行い、内腔の血栓付着、壁厚、コラーゲン量を評価、また免疫染色により、心筋細胞の有無、内皮化の有無、ギャップジャンクション形成の有無、血管形成の有無を評価)を実施する。
さらに、バイオシートに侵入する細胞の由来を明らかにするため、Y遺伝子特異的部位を対象にバイオシート内心筋細胞のin situ hybridization、また異種材料との比較試験も予定している。

次年度使用額が生じた理由

(理由)今年度はモデル作成法の検討が主となり、移植後の評価にまでは至らなかったため。
(使用計画)今年度に予定していた移植後の経時的評価およびバイオシートの組織学的評価を実施し、その上で次年度に予定している実験も進めていくため、それらの経費に充てる予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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