研究課題
基盤研究(C)
A-to-I RNA editingが高頻度に発生する遺伝子として報告されるAZIN1を、今回胃癌組織でそのRNA editing ratioを定量し、臨床病理学的特徴、生存再発予後に関して検証した。結果として胃癌組織においてはAZIN1 RNA editing ratioは有意に高値であり(p<0.001)、AZIN1 hyper-editing群は生存予後不良であり、多変量解析ではAZIN1 hyper-editingは生存予後不良、再発、同時性リンパ節転移に関する独立したリスク因子として抽出された。
上部消化管悪性腫瘍
本研究において、AZIN1においてだがそのRNA editing levelが胃癌の有用なバイオマーカーとなる可能性が示唆された。RNA editingにおいてはAZIN1以外の遺伝子にもeditingが起こり、それが胃癌腹膜播種において重要なkey playerとなる可能性が示唆され、次世代シーケンスを用いたdiscovery、ならびに当講座で厳重に保管管理しているサンプルを用いてバイオマーカーとしての意義を検証し、さらには胃癌細胞株やマウスモデルでその胃癌進展/播種転移における機序解明の研究を今後も継続していく予定であり、本研究成果はその試金石として重要な役割を果たしていると考える。