研究課題/領域番号 |
18K08568
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
江口 寛 大阪大学, 医学系研究科, 特任研究員 (20379267)
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研究分担者 |
安田 昌弘 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40264808)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 3DStroma培養 / ポリマー粒子 / 自然抗体 / B1細胞 / Sandwich ELISA / 異種細胞 |
研究実績の概要 |
本研究は、ポリマー粒子を用いて各種Stroma細胞を3Dに構築し、その構造内でB1細胞の前駆細胞を長期間維持培養することにより、T細胞を必要としない自然抗体産生系をVitroで確立することを目的としている。自然抗体は、感染の初期防御や輸血・移植のみならず、自己免疫疾患、癌、動脈硬化症など、幅広い疾患において生体内で重要な役割を担っているが、Vitroでの産生方法は確立されておらず、産生機序及び各種細胞との相互作用ついては多くの不明な点が残されている。 マウスStroma細胞を3Dに構築し、培養系の改良により16週まで安定した3D構造を維持させた。さらにマウス胎児肝細胞を共培養しB1前駆細胞に分化させ、Stroma細胞の3D構造内に長期維持し、その状況を倒立蛍光顕微鏡で追跡した。次に、Sandwich ELISA法を用いて各種抗体及び試薬を組み合わせ、10pg(IgMタンパク量)レベルまでIgMの定量的解析を可能とした。2Dに比し3Dに構築されたStroma細胞内で維持されたB1前駆細胞の方が、より長期に安定的にIgMを分泌することが明らかとなった。 最終年度では、マウスStroma細胞にヒト上皮細胞を3Dに混合培養し、その状態を長期間(8週まで)維持し、B1前駆細胞を長期3D共培養することにより、上皮系細胞および異種細胞共存下でのB1前駆細胞産生IgMの長期間分泌を可能とした。 今回のIn vitro でのStroma細胞、上皮系細胞および異種細胞共存下での長期IgM産生法の確立により、本法は上皮系細胞である癌細胞を含めた各種細胞および同種異種細胞を用いた多くの自然抗体系の解析に有用なツールになりうると考えられた。 研究分担者である安田が開発中のポリマー粒子を用い、3Dに構築されたStroma細胞は、より安定的に生化学的物理化学的に造血幹細胞や白血病細胞を支持することが示された。
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