研究課題
本研究の目的は、従来よりも精度の高い乳癌センチネルリンパ節転移予測モデルを開発するために、乳癌腋窩リンパ節に関わるmicroRNAを同定し、腋窩リンパ節転移のメカニズムを解明することであった。本研究では、手術で摘出したER陽性HER2陰性乳癌原発巣からTotal RNAを抽出し網羅的なmicroRNA発現解析をおこなった結果、センチネルリンパ節転移に密接に関わるmicroRNA(miR-98)を同定した。さらに、miR-98・臨床学的腫瘍径(cT)・脈管侵襲(LVI)の3つの因子を用いて、従来広く使われてきたセンチネルリンパ節転移予測モデル(MSKCCノモグラム)よりも精度の高い予測モデルの開発に成功した。本モデルを用いて、Training set100症例のみならずValidation set100症例においても高精度なセンチネルリンパ節転移予測が実現した。さらに、センチネルリンパ節転移のサイズ(マクロ転移/ミクロ転移)や、腋窩リンパ節転移の個数(1-3個/4個)に関わらず、本モデルの予測精度の高さを実証することができた。
すべて 2021
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Ann Surg Oncol
巻: 28 ページ: 310-319
10.1245/s10434-020-08735-9