研究実績の概要 |
①研究概要:我々は植込型補助人工心臓を装着した上で脳梗塞を発症させたヤギに間葉系幹細胞を投与することで、補助人工心臓に不具合を起こすことなく神経機能の改善が得られるかを検証する実験を行う予定であった。しかしながら、モデルのヤギと補助人工心臓にかかるコストが高額であることから、実験の遂行が困難な状況となり、実験計画に多少の修正が必要となった。我々は、脳梗塞の治療の為に開発された間葉系幹細胞(SB623細胞:サンバイオ社と共同研究契約)を重症心不全モデルのラットに移植することで、心機能の改善が得られるかを検証する研究に変更する方針とした。
②2018年4月~8月における研究:ヌードラット(8週齢,メス)のLAD結紮モデルを作成した。結紮後14日目にLVEFが50%以下のものを対象とし、対象とコントロール群(Shame operation),MSC群(hMSCシートを投与),SB623群(SB623シートを投与)に分類し治療効果を比較した。シートは106個の細胞を24well UpCellを用い約7*7mm程度のものを作成した。結紮後14日目に、Shame operationおよび、シート移植を施行し、その後6週間後まで心エコーにて心機能(LVEF/Dd/Ds)の評価を行った。6週目にsacrificeを行い、心筋組織の評価を行った(標本作成:吉川)。7月21日に共同研究者全員が大阪大学に集まり、研究の進捗報告を行った。また、同期間内に関連学会に出席し、情報収集を行った(戸田)。
研究代表者の異動に伴い、廃止することとなったが、間葉系幹細胞を用いた再生治療の道筋を作ることができた。現在、共同研究施設である大阪大学にて研究が進行中であり、将来的には再生医療による神経再生治療につながると考える。
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