研究課題/領域番号 |
18K08575
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
大畠 雅之 高知大学, 医学部附属病院, 特任教授 (50336153)
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研究分担者 |
星野 絵里 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 准教授 (50598521)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | AI(人工知能) / 便色 / 早期発見 / 胆道閉鎖症 / 胆汁うっ滞性肝疾患 / アプリケーション |
研究実績の概要 |
2019年1月から高知県下の4病院で胆道閉鎖症および胆汁鬱滞性疾患早期発見を目的とした新生児・乳児の便に対して便色認識アプリケーションを用いたフィールド実証研究を開始した。2021年度(2022年3月)までの3年間の実証研究の結果を報告する。2020年1月から蔓延したCOVID-19感染症のため分娩数の減少と新規参加病院の募集ができず、検査件数は予定より大幅に少なくなった。4施設の症例数(平均出生体重、平均在胎週数)は施設A:767例(2931g、38週6日()、施設B:289例(3013g、39週1日)、施設C:596例(2881g、38週2日)、施設D:811例(3066g、39週4日)の合計2463例に対して実証研究を行った。研究への参加数は同期間中に施設で出生した児の71.5%であった。 結果は「異常なし」「要観察」「要注意」で判定され、全体の最終判定結果は「異常なし」が96.59%、「要観察」が0.14%、「要注意」が3.29%となった。当初は「異常なし」と「要注意」の間の「要観察」が「要注意」より多くなると予想していたが、全施設で「要観察」の症例は非常に少ない結果となった。「要観察」「要注意」と判定された84例中2例が外科的治療が必要となり、内訳は胆道閉鎖症及び1例の胆汁鬱滞性疾患(進行性家族性胆汁うっ滞症2型)であった。 3年間の実証研究で「異常なし」2379例に対して、異常例(「要注意」+「要観察」)は84例となり、84例から2例に対して外科的治療が行われた。本研究により外科的治療が必要とした肝疾患の検出の感度は100%、特異度は96.7%となり、胆道閉鎖症および胆汁鬱滞性疾患早期発見の方法としては有用であったと考えられる。
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