研究課題/領域番号 |
18K08585
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部) |
研究代表者 |
重松 英朗 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (40543707)
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研究分担者 |
尾崎 慎治 独立行政法人国立病院機構(呉医療センター臨床研究部), その他部局等, その他 (10558266)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 乳癌 / 非切除療法 / 腫瘍微小環境 |
研究実績の概要 |
本研究では、薬物療法によりdormancyが得られた乳癌細胞および組織におけるepigenetic変化やtumor microenvironmentへの影響を明らかとし、薬物療法によるdormancy導入の判定方法を確立し、術前化学療法が奏効した乳癌において手術省略が可能である症例を同定することを目的とした研究を進めている。 現在、当院で術前化学療法が施行後に腫瘍遺残を認めた乳癌115症例の組織検体を用いた研究を施行中である。対象となる115症例において26例に乳癌再発および16例に乳癌死を認め、Stage分類としてI期17例、II期62例、III期36例、乳癌サブタイプとしてluminal type59例、HER2 type36例、TNBC20例が含まれている。 乳癌術前化学療法施行前後の乳癌組織における腫瘍免疫細胞浸潤(PD-L1発現の半定量的染色評価)、炎症細胞浸潤(tumor associated macrophageの評価としてCD163の半定量的染色評価)および血管新生を評価し、化学療法施行による腫瘍微小環境への影響を評価している。これらの腫瘍環境因子マーカーの発現と予後との相関を検討し、予後と相関する因子を同定する。 また先行研究において、末梢血データが乳癌予後と相関することが報告されている。腫瘍微小環境評価と同時に、術前化学療法前後における末梢血(白血球、リンパ球、血小板)の評価を行い、免疫応答および炎症反応と腫瘍微小環境因子および予後との相関を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究対象となる検体の選別および検査方法は確定している。 現在、バイオマーカーの評価作業中である。 評価を今年度中に終了させることにより、結果の解析が来年度以降に可能である。
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今後の研究の推進方策 |
現在の作業を引き続き遂行する。 手技を簡潔化し、研究補助員による作業を容易とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は実験条件を確立するため試薬の使用金額が少なくなりました。 来年度以降は試薬の使用量が増加するため、繰り越した研究費を使用することになります。
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