研究課題/領域番号 |
18K08589
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小川 真一郎 信州大学, 医学部, 特任教授 (30419353)
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研究分担者 |
増田 雄一 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (60467149)
小山 誠 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (80712778)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | iPS細胞 / 胆管細胞 / 肝細胞 / オルガノイド |
研究実績の概要 |
本研究の主題であるiPS細胞由来肝細胞と胆管細胞の共培養系の樹立に関して、共同研究者であるDr. Boyang Zhangが開発したIFlow plate(IFlowplate-cutomized 384 well plate for the culture of perfusable vascularized cokob organoids: Advanced Material, 01 Oct 2020, https://doi.org/10.1002/adma.202002974)を用いて、肝細胞オルガノイドと胆管細胞との共培養系を構築した。COVID19によりパンデミックの影響で半年以上、実験の遂行に遅れをきたしたが、bile canaliculiをlive imaging下で観察するため、蛍光色素CDF-DAよるオルガノイドの染色を行い、胆管と微細胆管の連続性を観察できる条件を見出すことに成功した。この成果は2021年度内には論文化することを目標にしている。 iPS細胞由来胆管細胞に関しては、本研究の重要な課題であるorgan-on-chip培養系の構築において、様々なorgan -on -chip platformに応用が可能な汎用性のある培養法を開発することを主眼にして研究を進めてきた。従来のマトリゲルを用いた3次元培養のみの培養法では、大量培養に難点があり、2次元培養法のみでは、機能的な細胞を分化誘導することが難しいという問題点があったが、いくつかの改善点を加えその結果をNature communicationsに投稿した。(2020年6月)査読者からのコメントを受理後、追加実験を加え再投稿を行い、現在論文受理の報告を期待している。初回投稿の原文はOpen access紙であるbioRxivにすでに公開済みである。' Generation of functional ciliated cholangiocytes from human pluripotent stem cells'doi: https://doi.org/10.1101/2021.03.23.436530;
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
この研究課題の関連する成果をNature communicationsに投稿し追加実験を加え再査読後の受理判断を期待できる状況まで来ており、概ね順調に推移していると思われる。また論文の原案もすでにプレプリントの状態ではあるがbioRxivに投稿し公開しており、一定の責務を果たしていると思われる。また、この研究課題より派生するいくつかの研究成果も論文投稿の準備をしており、コロナ禍による研究の中断などによる影響は多大であったが、成果を挙げられていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
iPS細胞由来肝細胞オルガノイドと胆管細胞の共培養系の構築には成果を見出しており、今後は、動物実験を介して胆管細胞が肝細胞オルガノイドと胆管様構造を構築することの重要性について細胞間相互作用などの観点から解析していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
Nature communicationsに論文が受理された場合の投稿量としてUSD $5,560を計上しており、コロナ禍の影響で研究期間内に受理の報告を得ることができなかったため、本研究の延長申請を行なっている。
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