研究課題/領域番号 |
18K08589
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小川 真一郎 信州大学, 医学部, 特任教授 (30419353)
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研究分担者 |
増田 雄一 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 准教授 (60467149)
小山 誠 信州大学, 医学部附属病院, 助教(特定雇用) (80712778)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | iPS細胞 / 胆管細胞 / 胆汁鬱滞 / organ on chip |
研究実績の概要 |
2021年に発表したiPS細胞由来一次繊毛陽性機能的胆管細胞のシングルセルRNAシークエンス解析を行い、肝内胆管細胞特有の遺伝子プロファイルを有していることが確認できたが、ヒト肝臓サンプルを用いたシングルセルRNA解析では、胆汁酸に関連するシグナルや、fluid flowに関わるシグナルがiPS細胞由来胆管細胞に有意に減少していることが判明した。これは従来の静置培養条件化におけるオルガノイド培養の限界を表しており、この問題を解決するため、Organ on chipプラットフォームを改善し、fluid flow環境下でiPS細胞由来胆管細胞を培養することが可能な3D胆管チューブを作成した。2022年に発表したAngio Tubeを改良し、384ウェル培養皿上に、まずは、3つの横に連結するウェルの真ん中のウェルに3Dバイオプリンターでゲラチンチューブを作成した。このゲラチンチューブをフィブリノーゲンを主成分とするハイドロゲルで覆ったのち、PBSで洗浄することにより、ゲラチンチューブが徐々に吸収され内腔が空洞のチューブが作成することができた。このチューブは左右に存在するウェルにトンネルで繋がっており、左右のウェルに培養液を加えて、Rockerで時間経過と共に左右に傾けながら培養しることにより、(約15度、5分インターバル)チューブ内に一定の流れを作成することができた。さらに、iPS細胞由来肝前駆細胞を播種しチューブの内腔を完全に上皮化後、胆管細胞分化誘導プロトコールを改変し、CFTR陽性、一次繊毛が内腔に突出して存在する3D胆管チューブの作成に成功した。プレート内にこの3Dチューブが128個作成でき、胆汁酸添加環境下における上皮接合の破綻などを胆管障害の病態モデルの作成が可能になった。これらの結果をまとめて2024年度内には論文に投稿予定である。
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