研究課題/領域番号 |
18K08592
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
三木 誓雄 三重大学, 医学系研究科, 客員教授 (50242962)
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研究分担者 |
問山 裕二 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (00422824)
奥川 喜永 三重大学, 医学部, 助教 (30555545)
藤川 裕之 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (40616091)
安田 裕美 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60586767)
楠 正人 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50192026)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 胃癌 / 免疫チェックポイント阻害剤 / アブスコパル効果 |
研究実績の概要 |
胃癌に対する全身化学療法はこの数年で飛躍的な進捗をとげているが、胃癌腹膜播種に対する標準的治療は存在せず、近年、腹膜播種切除+腹腔内温熱化学療法が新たな治療選択の一つとして注目されている。いっぽう、PD-1抗体の登場により腫瘍宿主免疫の重要性が認識され、以前から放射線治療医の間でごく稀に認められる現象として認識されていたAbscopal効果の機序が解明されつつあることから、その他の癌治療においても同様の効果が認められる可能性が想定される。本研究では以前から放射線治療において稀に認められる効果で、近年そのメカニズムが解明されつつある”Abscopal効果”に着目し、放射線治療やRFA治療などと同様に温熱化学療法そのものがAbscopal効果を呈する可能性を明らかにするとともに、腫瘍側と宿主側の両方向性にその機序をエピゲノムの観点も含めて解明することにより、Abscopal効果予測マーカーの確立とAbscopal効果そのものの発症頻度を増加させる新たな治療法の開発を目的とする。この目的を達成するため、まずは胃癌における腫瘍免疫環境を腫瘍側と宿主側の両者から評価を行うことから開始した。まず胃癌組織約200例を対象に、免疫チェックポイント阻害剤の標的となるPD-L1発現解析やその血中における動態、腫瘍周囲環境におけるリンパ球浸潤の状況の評価を開始しており、PD-L1高発現や血中PD-L1濃度上昇が有用な予後マーカーになることを明らかにした。さらなる分子生物学的な関係を明らかにするため、現在も鋭意進行中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胃癌組織における免疫チェックポイント阻害剤の標的となるPD-L1発現解析やその血中における動態、腫瘍周囲環境におけるリンパ球浸潤の状況の評価を開始に必要な、胃癌組織標本の薄切や、分子遺伝科学的検査のためのDNA抽出などの準備に時間を要したため、やや進捗はおくれているが、現在も鋭意進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、CTLA4の胃癌組織における発現解析や血中濃度の測定、MSI,EBVなどの評価を行うべく、現在も鋭意進行中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
臨床検体からのRNAやDNA抽出、薄切に時間を要したため、やや研究計画に遅れが生じたためであり、本年度でのエピゲノムマーカー測定に使用する予定としている
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