膵癌細胞株(Panc1、MiaPaCa2)にsiHoxB9を導入し、EMTマーカーの減弱とCD44(+)/CD133(+)細胞の割合の減少を確認した。そこで、同様の実験系において、TGFb recombinant投与下において、EMTマーカーの再上昇とともに、CD44(+)/CD133(+)細胞の割合の再上昇を確認した。 さらに、siHoxB9導入により、Gemcitabine、nabPaclitaxelの抗癌剤投与におけるIC50の低下を認め、さらにはTGFb recombinant投与下において同様のIC50の再上昇を認めた。 以上より、HoxB9は癌細胞におけるEMTを調整する因子の一つであり、癌幹細胞化への関与も示唆された。そして、HoxB9はEMT・幹細胞の関与を経て抗癌剤耐性の一因を担っている可能性が示唆された検証を行うことができた。
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