近年、microRNA(miRNA)が癌抑制因子や癌促進因子として働くことが報告され、そのメカニズムを解明することは新しい治療法を確立する上で欠かすことのできない研究テーマとなっている。olaparib(商品名:Lynparza)はPARP阻害剤の経口薬として期待される一方、耐性獲得などの課題が残されている。申請者は、olaparib感受性を亢進するmiRNA(miR-X、miR-Y、miR-Z)を同定し、これらがヒト乳癌細胞の増殖を抑制することを明らかにした。今後、この細胞増殖抑制メカニズムを解明し、治療の難しいTNBCやHOBCに対して有効なolaparib併用療法の確立に繋げたい。
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