研究課題/領域番号 |
18K08606
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
柴田 雅朗 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10319543)
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研究分担者 |
伊藤 裕子 大阪医科大学, その他部局等, 功労教授 (40148432)
谷口 高平 大阪医科大学, 医学部, 助教 (70779686)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | エクソソーム / nSM2 / siRNA / マイクロRNA / 乳癌 / 転移前ニッチ / 転移 |
研究実績の概要 |
エクソソーム分泌に関与するneutral sphingomyelinase 2 (nSM2)をノックダウンさせるために、siRNA配列設計のアルゴリズムに基づいて、4種類の配列のnSM2に対するsiRNAを合成した(Qiagen)。24ウエルプレートに転移性のマウス乳癌細胞株(BJMC3879Luc2)を播種した後、カチオン性の遺伝子導入試薬HiPerfect(Qiagen)を用いて、25nM濃度でsiRNAを遺伝子導入し(遺伝子導入効率82%条件下)、18時間後に各細胞からRNA抽出を行い、Real-time PCR(TP850, Takara Bio)にてnSM2発現を解析した。なお、対照としてはヒト、マウスのいかなる遺伝子にも相補性を示さないスクランブル配列のNeg-siRNA-Alexa488を導入した。その結果、4種類のsiRNA配列のうち、2種類のsiRNA配列が対照群に対して、それぞれ52%、43%のノックダウンを示した(P<0.01)。最も効率よくnSM2発現をノックダウンしたsiRNA配列は5’-cagatgcacactacttcagaa-3’であった。この効果的なsiRNA配列にてショートヘアピン型siRNAを合成し、pAAV-U6-ZsGreen1 Vector(Takara Bio)に組み込み、nSM2-siRNA発現ベクターを作製した。このベクターはサンゴ由来の緑色蛍光タンパクZsGreen1を発現するため、遺伝子導入の状況が容易に可視化出来る。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り、nSM2に対するsiRNA配列を求め、nSM2-siRNA発現ベクターを構築した。BJMC3879Luc2乳癌細胞株にnSM2-siRNA発現ベクターをエレクトロポレーションにて遺伝子導入した。ところが、遺伝子導入効率は10~26%と悪く、ノックダウン効率も7%と評価に堪えないものであった。早急にプラスミドベクターの遺伝子導入効率を上げる条件検討を進めなければならない。
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今後の研究の推進方策 |
nSnSM2-siRNA発現ベクターの遺伝子導入効率を上げるため、ベクターのDNA濃度、細胞数、遺伝子導入のパルスの強さと長さなど条件検討が急務である。至適条件でnSM2-siRNA発現ベクターの遺伝子導入が可能となった後、nSM2発現のノックダウンをReal-time PCRで確認すると共に、ウエスタンブロットないしは電子顕微鏡にてエクソソームの分泌低下のあることも確認しなければならない。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の一部で条件設定の必要が生じ、それを翌年度に持ち越したため、翌年度分として請求した助成金を合わせて使用する。
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