研究課題
免疫染色による診断:平成30年度までに乳頭部腫瘍症例の手術摘出標本14例と、内視鏡的切除術による摘出標本11例を選択した。これらの、最終病理診断はadenoma (n=5)、T1a adenocarcinoma (n=5)、T1b adenocarcinoma (n=3)、T2 adenocarcinoma (n=5)、T3 adenocarcinoma (n=7)であった。これらに対し、IMP3、S100P、MUC5ACの免疫染色を施行した結果、病理学的進行度と染色形態の関係はIMP3でのみ認められた。adenomaとT1a adenocarcinomaの腫瘍(疫学的に局所切除可能と考えられる腫瘍)とT1b adenocarcinoma以上の腫瘍(疫学的に外科的手術が必要な腫瘍)では、陽性細胞の比率に有意差が認められ、ROC曲線よりcut off値を10%に設定することにより切除標本では正診率80%で、生検標本でも正診率75%で診断可能であることがわかった。これらの結果を論文報告した。(Tanaka T, Kawashima H, et al. BMC Gastroenterol. 2021; 21: 224. doi: 10.1186/s12876-021-01811-8.コンピューター支援画像診断(CAD)による診断:平成30年度までに正常例100例と乳頭部腫瘍50例のサンプルを用いた診断で、内視鏡所見をそのまま読み込ませるdeep learningは不可能であることがわかった。令和元年度は150例の画像サンプルの切り抜きを施行しdeep learning施行したが腫瘍、非腫瘍の鑑別が出来る程度の診断精度であり改善が必要と考えられた。令和2年、3年度も新たな方法の模索を試みたが満足いく結果が得られなかった。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
BMC Gastroenterol.
巻: 21 ページ: 224
10.1186/s12876-021-01811-8.