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2018 年度 実施状況報告書

肝移植後肝細胞癌再発に対する機序解明と革新的治療戦略の構築

研究課題

研究課題/領域番号 18K08619
研究機関九州大学

研究代表者

吉屋 匠平  九州大学, 大学病院, 医員 (20717079)

研究分担者 間野 洋平  九州大学, 大学病院, 助教 (10792244)
副島 雄二  九州大学, 大学病院, 准教授 (30325526)
戸島 剛男  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40608965) [辞退]
本村 貴志  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (50719507)
吉住 朋晴  九州大学, 医学研究院, 准教授 (80363373)
原田 昇  九州大学, 大学病院, 講師 (80419580)
池上 徹  九州大学, 大学病院, 講師 (80432938)
伊藤 心二  九州大学, 大学病院, 助教 (90382423)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード肝細胞癌 / 再発 / 肝移植 / 類洞様血管構造 / VETC
研究実績の概要

肝細胞癌周囲の類洞様血管構造(vessels that encapsulated tumor clusters; VETC)は予後不良因子であることが報告された。本研究では肝細胞癌に対する肝移植におけるVETCの有無と予後の関連、その機序のについて検討、ミラノ基準に勝る新基準の策定を目的とする。
本年度は、肝細胞癌を有する非代償性肝硬変に対する生体肝移植症例におけるVETCの発現およびAngiopoietin2(Ang2)の発現を検証した。肝細胞癌を有する非代償性肝硬変に対し施行された生体肝移植術での摘出標本に対しanti-human CD34抗体およびanti-human Ang2抗体を用いて免疫染色を行い,腫瘍部におけるCD34, Ang2の発現を検証した.まず始めにCD34発現(VETC陽性)を検証し、その予後解析を行った.生体肝移植術の予後(全生存率・無再発生存率) をKaplan-Meire曲線により検証したとともに,VETC陽性とその他の各種臨床因子(術前肝機能などのレシピエント背景や腫瘍因子として術前腫瘍マーカー、腫瘍最大径、個数、分化度、脈管侵襲)を含めた単変量解析・多変量解析を行い、VETC陽性の予後に与える影響を検証した.その結果,VETC陽性は生体肝移植術後無再発生存率、全生存率共に予後不良であった。またVETC陽性は、腫瘍因子悪性度と有意に関連しており、腫瘍径は大きく、腫瘍個数は多く、術前AFP値高値、低分化度、脈管侵襲多いという結果であった。また再発形式については多臓器再発の頻度が有意に多かった。またVETC陽性は術後再発、死亡の独立危険因子であった。
次にAng2発現を検証した。Ang2は癌部細胞質で発現を認め、腫瘍面積当たりの発現量を評価したところ、VETC陽性では有意に発現量の増加を認め、VETC形成との関与が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

順調に症例の追加を行っており、適宜統計解析の追加解析を行っており、概ね予定通りの進捗状況である。

今後の研究の推進方策

①現在対象とした症例にさらなる症例を加え、VETC有無を予測しうる臨床背景との関連を検討する。
②VETCとEMTとの相関を評価するために、E-cadherin、Vimentin、Snail、Slug、Twistを免疫染色し相関を検討する。
③術後再発症例を用いて原発巣および切除再発巣のVETCおよびEMTの維持・変化を評価する。

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公開日: 2019-12-27  

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