研究課題/領域番号 |
18K08624
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
白下 英史 大分大学, 医学部, 講師 (50596955)
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研究分担者 |
猪股 雅史 大分大学, 医学部, 教授 (60315330)
藤島 紀 大分大学, 医学部, 客員研究員 (70733624)
平塚 孝宏 大分大学, 医学部, 助教 (20600886)
衛藤 剛 大分大学, 医学部, 准教授 (00404369)
井上 高教 大分大学, 理工学部, 准教授 (40243969)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 腹膜播種 / 光線療法 / レーザー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、肉眼的にすべての病巣を診断することが難しく、腸閉塞や腹水により患者QOLを低下させる難治性の胃癌腹膜播種病変に対するレーザー光線照射を用いた新規治療法を開発することである。具体的には以下の研究を予定した。1)抗腫瘍効果をしめす至適な照射量の確認。2)レーザー光線照射が癌細胞と癌微小環境に与える影響の評価。3)内視鏡などに使用される細いファイバーからより広範囲の病変を治療するため、レーザー光を拡散させるデバイスの開発。 平成30年度は、レーザー光および5-ALAを用いた光線照射の抗腫瘍効果および至適照射量を調べた。 令和元年度は、<1>胃癌細胞株であるNUGC-4、MKN45のレーザー光および5-ALAを用いた光線照射の抗腫瘍効果および至適照射量、<2>パルスレーザーおよび5-ALAを用いた光線療法の抗腫瘍効果及び至適照射量、<3>レオウイルスへ組み込むKillerRedのベクター作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究期間は3年を予定しており、研究目的は胃癌腹膜播種病変に対するレーザー光線照射を用いた新規治療法を開発することである。 令和元年度は、<1>in vitro実験におけるMKN45、NUGC-4のALA-PDD/PDTの抗腫瘍効果および至適照射量を決定した。 具体的には、レーザー(単光子637nm、2光子1036nm)と5-ALAを用いて複数の胃癌細胞株の殺細胞効果をin vitroで検討した。MKN45、NUGC-4に対してPDT(672nm+5ALA)、50J/cm2にて95%以上の殺細胞効果を得られた。<2>2光子に関してはレーザー装置の作成及び照射装置を作成し、レーザー照射を行った。照射範囲が狭いために、効果判定が困難であったが拡散装置にて改善が見込めた。<3>KillerRedのベクターを購入し、大腸菌によって増幅した。
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今後の研究の推進方策 |
腹膜播種モデルマウスを用いてin vivo実験における、ALA-PDD/PDTの抗腫瘍効果の評価を行うとともに、癌微小環境への影響も評価する。 2光子レーザーは照射範囲が狭いため、広範囲に照射する装置を購入し、その効果を判定する。 レオウイルスにKillerRedを組み込むベクターを作成し、ウイルス作成を行い、その札細胞効果と光線による上乗せ効果を測定する。 最終的に、レーザー光をより広範囲照射する拡散能を有するファイバーの開発を行う。
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