研究課題
本研究の目的は、肉眼的にすべての病巣を診断することが難しく、腸閉塞や腹水により患者QOLを低下させる難治性の胃癌腹膜播種病変に対するレーザー光線照射を用いた新規治療法を開発することである。具体的には以下の研究を予定した。1)抗腫瘍効果をしめす至適な照射量の確認。2)レーザー光線照射が癌細胞と癌微小環境に与える影響の評価。3)内視鏡などに使用される細いファイバーからより広範囲の病変を治療するため、レーザー光を拡散させるデバイスの開発。2018年度は、レーザー光での5-ALAを用いた光線照射の抗腫瘍効果および至適照射量を調べた。2019年度は、<1>胃癌細胞株であるNUGC-4、MKN45のレーザー光での5-ALAを用いた光線照射の抗腫瘍効果および至適照射量、<2>パルスレーザーでの5-ALAを用いた光線療法の抗腫瘍効果及び至適照射量、<3>レオウイルスへ組み込むKillerRedのベクター作成を行った。2020年度は、<1>パルスレーザーを拡散照射させるガルバノミラーシステムを購入し、5-ALAを用いた抗腫瘍効果を確認した。<2>レオウイルスにKillerRedを導入したウイルスを作成し、胃癌細胞株NUGC-4に対して感染、蛍光たんぱく発現の有無について検討し、感染の成立および蛍光発現を確認し、殺細胞効果について検討した。