| 研究課題/領域番号 |
18K08630
|
|---|
| 研究機関 | 北里大学 |
|---|
研究代表者 |
高山 陽子 北里大学, 医学部, 准教授 (80286278)
|
|---|
| 研究分担者 |
中村 隆俊 北里大学, 医学部, 准教授 (10286304)
厚田 幸一郎 北里大学, 薬学部, 教授 (20306658)
花木 秀明 北里大学, 北里生命科学研究所, 特任教授 (60286747)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
| キーワード | 周術期予防抗菌薬 / 組織内濃度 / 血中濃度 |
|---|
| 研究実績の概要 |
周術期感染予防抗菌薬として第１および第２世代セフェム系薬が推奨されているが、その有効性は血中濃度から推察しているに過ぎず、局所感染部位である直の組織内濃度によって判断されている訳ではない。本研究では、消化器外科領域の多数の手術症例を対象に、ターゲットとなる皮下・患部周辺組織ならびに血中の抗菌薬濃度を経時的に測定することによって、術後感染予防に適切な抗菌薬の投与方法を科学的に検証し、手術部位感染の減少に役立てることを目的としている。
２０１８年度は、予防抗菌薬としてＣＭＺを投与した腹腔鏡下・開腹結腸切除術、腹腔鏡下・開腹直腸切除術、人工肛門閉鎖術施行の３３症例を集積した（手術時間３時間以内、体重＜８０ｋｇ）。患者背景は、男性２０例、女性１３例、平均年齢６６．６歳、結腸癌１５例、直腸癌１４例、その他４例であった。
方法は、皮膚切開３０～６０分前にＣＭＺ１ｇを静脈内投与し、経時的に血清および皮膚切開時及び創閉鎖時に皮下脂肪を採取した。分離分析法（ＨＰＬＣ法）により、皮膚切開時：血清濃度７０～１２０μｇ/ｍｌ、皮下脂肪濃度１～７μｇ/ｍｌ、創閉鎖時：血清濃度１５～３０μｇ/ｍｌ、皮下脂肪濃度０．５～３μｇ/ｍｌの結果が得られた。皮膚切開時のＣＭＺ血清濃度は、E. coli １６μｇ/ｍｌ、B. fragilis ３２μｇ/ｍｌ（各々ＭＩＣ９０の目安）を上回っていたが、皮下脂肪濃度は著明に低値であったことから、投与方法や投与間隔に課題があることが示唆された。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
症例の集積に時間を要した。当初の予定よりやや遅れているが、着実に結果は蓄積されており進捗に問題はない。
|
| 今後の研究の推進方策 |
症例の集積を進め、データの統計解析を実施する。各種濃度の結果を検証し、学会における公表を検討する。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
2018年度は33症例を集積した。今後は更なる集積が見込まれ、試薬類や消耗品の費用が発生すると考えられる。
|
