研究実績の概要 |
1「大腸癌臨床検体におけるTIGAR遺伝子のCopy Number Variant (CNV)、メチル化解析による分類と臨床病理学的因子・予後の検討」:ヒト大腸癌cell line(DLD-1,SW48,SW480,CaCo2,RKO,WIDR)においてTIGAR-promoter領域に認めるCpG islandのメチル化の有無の検討を行ったところ、明らかなメチル化は確認出来なかった。しかしPilot studyとして実臨床で得た大腸癌検体を用い、Cell lineと同部位のTIGARメチル化解析を行ったところ、正常大腸粘膜組織16検体においてTIGAR-promoter領域のメチル化割合が全て5%未満であった。一方、腫瘍組織16検体ではTIGAR-promoter領域のメチル化割合が5%以上であったのは2例(2/16=12.5%)と、10-20%の大腸癌においては明らかなメチル化を認めているため、引き続き大腸癌組織を用いて検討を継続する予定である。 2「進行大腸癌根治手術症例のTIGAR発現と生存期間の解析」:StageⅡ/Ⅲ大腸癌根治手術200例の病理学的検体を用い免疫染色にてTIGAR発現を解析し、長期予後との関連性を検証する。現在、条件設定が終了した時点である。 3「TIGARによる細胞増殖に関するin vitro実験」:TIGAR mRNA発現は、DLD-1,SW48,HCT116,HCT116 p53-/-,HT29,WIDRはほぼ等しく、それに対してCaCo2、RKOは相対比2倍以上であった。次いでCaCo2、HCT116、HCT116 p53-/-を用いてTIGAR siRNAにおける細胞増殖実験を行ったところ、CaCo2、HCT116においては統計学的有意差をもって細胞増殖が抑制された。HCT116 p53-/- では明らかな増殖抑制は認められなかった。
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