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2019 年度 実施状況報告書

TIGARを介した大腸癌微小環境におけるインスリンシグナル活性化の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K08634
研究機関川崎医科大学

研究代表者

鶴田 淳  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (00721961)

研究分担者 永坂 岳司  川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30452569)
眞部 紀明  川崎医科大学, 医学部, 教授 (50403572)
上野 富雄  川崎医科大学, 医学部, 教授 (70284255)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードTIGAR遺伝子 / 大腸がん
研究実績の概要

①「大腸癌臨床検体におけるTIGAR遺伝子のCopy Number Variant (CNV)、メチル化解析による分類と臨床病理学的因子・予後の検討」: ヒト大腸癌臨床検体274例についてTIGARメチル化アッセイを行った。40症例(14.6%)に5%以上のメチル化を認めた。これをTIGAR Met ケースとし、それ以外のTIGAR Unmet ケースと比較検討した。背景因子として両群間に性別、UICCステージ、組織型、局在、KRAS/BRAF変異について有意な差を認めなかった。StageⅠ-Ⅲの根治切除例のRelapse-free- survival(RFS)については両群間に差を認めなかった。②「進行大腸癌根治手術症例のTIGAR発現と生存期間の解析」:StageⅡ/Ⅲ大腸癌根治手術200例の病理学的検体を用い免疫染色にてTIGAR発現を解析し、長期予後との関連性を検証する。免疫染色を100検体終了し、解析中である。③「TIGARによる細胞増殖に関するin vitro実験」:ヒト結腸がん細胞増殖におけるTIGARの効果をTIGAR siRNAによりノックダウンした場合としない場合において比較検討した。CaCO2、HCT116においてはTIGAR siRNA群の方が有意に増殖抑制されていた(p=0.014, <0.0001)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

①大腸癌臨床検体におけるTIGAR遺伝子のCopy Number Variant (CNV)、メチル化解析による分類と臨床病理学的因子・予後の検討:2019年度は大腸癌組織1000余例のうち、274例についてTIGARメチル化アッセイを行った。今後は残りの700余例のメチル化解析を順次行う予定である。
②進行大腸癌根治手術症例のTIGAR発現と生存期間の解析:StageⅡ/Ⅲ大腸癌根治手術200例の病理学的検体を用い免疫染色にてTIGAR発現を解析し、長期予後との関連性を検証する中で、現在のところ半数の100検体が終了し、解析中である。
③TIGAR遺伝子を抑制するマイクロRNA (miRNA) 群を用いたヒトCell lineとマウスモデルでのTIGAR 遺伝子ノックダウンによる腫瘍増殖抑制効果の検討:TIGAR siRNA解析のための適切なCell lineを抽出した。miRNAを用いての腫瘍増殖抑制効果の検討を行なってゆく予定である。そのうちCaCO2、HCT116においてはTIGAR siRNA群の方が有意に増殖抑制されていた(p=0.014, <0.0001)。今後はマイクロRNAによる腫瘍増殖抑制効果の検討を行う予定である。上記①-③の状況を鑑みると必ずしも全てが当初予定のロードマップ通りには進んではいないと評価する。

今後の研究の推進方策

①大腸癌臨床検体におけるTIGAR遺伝子のCopy Number Variant (CNV)、メチル化解析による分類と臨床病理学的因子・予後の検討:これまでに解析されたヒト大腸癌臨床検体274例についてのTIGARメチル化アッセイについて報告した。今後は残る約800例の献体について検証を継続する予定である。
②進行大腸癌根治手術症例のTIGAR発現と生存期間の解析:条件設定が終了し、現在のところ100検体まで免疫染色が終了している。今後は残り100検体の免疫染色を行い、病理組織学的特徴を検証する予定である。
③TIGARによる細胞増殖に関するin vitro実験、TIGAR遺伝子を抑制するマイクロRNA (miRNA) 群を用いたヒトCell lineとマウスモデルでのTIGAR 遺伝子ノックダウンによる腫瘍増殖抑制効果の検討:ヒト結腸がんcell lineにおけるTIGAR発現の効果をsiRNAによる解析が終了したため、今後はヒトTIGARをターゲットにmiRNAによるTIGARのノックダウン効果の検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度に繰り越しますが、問題ありません。予定していたマイクロRNA実験の遅れにより次年度使用額が生じた。次年度に繰り越しマイクロRNA実験に使用予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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