研究課題/領域番号 |
18K08642
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
奥村 知之 富山大学, 学術研究部医学系, 講師 (10533523)
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研究分担者 |
嶋田 裕 京都大学, 薬学研究科, 客員教授 (30216072)
藤井 努 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (60566967)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 食道神経内分泌癌 / 神経内分泌腫瘍 / マイクロRNA / 遺伝子発現 |
研究実績の概要 |
食道NECにおける分子生物学的特性に基づいた分類法や治療効果予測の可能性を検討する目的で、日本神経内分泌腫瘍研究会(JNETS)多施設共同プロジェクト研究「食道原発神経内分泌癌(NEC)におけるマイクロRNA発現プロファイルを用いた分子生物学的サブクラスの同定と治療効果予測分子マーカーセットの探索」が開始された。JNETS参加 12施設から食道NEC切除症例36例について癌部および非癌部の切除標本FFPEブロックを回収しRNAを抽出した。36例の平均年齢は62.6歳、臨床病期はⅠ:8例、Ⅱ:11例、Ⅲ:14例、Ⅳ:3例であった。予後は無再発生存16例(観察期間中央値144カ月、46-242)、再発生存3例(観察期間中央値37カ月、7-106)、癌死17例(観察期間中央値11カ月、1-36)であった。臨床病期を含め、再発の有無と有意に相関する臨床病理学的因子は認めなかった。 抽出したRNAのクオリティーチェックの結果、18例(無再発生存8例、再発生存2例、癌死8例)がマイクロRNA発現解析に進んだ。マイクロアレイに搭載された2632分子のなかで非癌部に比べて癌部での発現が変動しているものとして75分子、無再発例と比べて再発例で有意に発現が変動しているものとして48分子が抽出された。これらの分子のなかには癌遺伝子および癌抑制遺伝子として報告されている分子が多数含まれるうえ、神経内分泌細胞形質に関わる分子が複数抽出された。また、抽出した32分子を用いて再発と有意に相関する2つのクラスターに分類することができた。 以上の結果から、食道原発NECにおいても食道扁平上皮癌と同様に切除可能症例に対する手術は妥当と考えられた。また、再発の有無と関連して抽出した32分子の予後予測マーカーセットとしての有用性が示唆された。
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