研究課題/領域番号 |
18K08649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
黒田 陽介 九州大学, 大学病院, 特別教員 (10779995)
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研究分担者 |
三森 功士 九州大学, 大学病院, 教授 (50322748)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 腫瘍免疫応答 / コピー数変異 / TCRレパートリー / 腫瘍抗原 / 大腸がん再発 |
研究成果の概要 |
大腸がんの再発の有無は原発巣における腫瘍免疫応答の違いが考えられている。術後に再発した早期(ステージIまたはII)の大腸腫瘍症例10例に対して、マルチリージョンWESを実施した。その結果、大腸がん症例のアームレベルのCNA(倍数性)を比較したところ、再発陽性例の原発巣の方が非再発の原発巣に比べて有意に多く見られた(p < 2.2e-16)。SNVの数とアームレベルのCAN(7p、7q、20p、20q染色体)との間に逆相関があることをTCGA409例の大腸がんで明らかにした。また原発巣の比較で再発陽性(n = 40)、再発陰性(n = 232)に比べてCYTが低かった。
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自由記述の分野 |
外科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
われわれはコピー数異常(CNA)が、原発巣における早期から進行した腫瘍へのがん進化を促進する最も重要な選択圧であることを明らかにした。進行がんにおける中立進化の過程では、がん細胞のネオアンチゲン(NAG)の減少と細胞傷害性T細胞のTCRレパトア多様性が、クローナルなCNAやいくつかのドライバー変異とともに、原発部位から再発部位への術後再発発症を規定していた。本助成をいただき明らかにした結果に基づき、転移プロセスの開始前に、転移前の部位でCTLを活性化することは、今後がんの転移を防ぐことが可能になることが期待され、医療費逓減が求められている今日、社会的意義は大きい。
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