研究課題/領域番号 |
18K08655
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
川井 学 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40398459)
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研究分担者 |
北畑 裕司 和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (00535338)
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
岡田 健一 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50407988)
廣野 誠子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60468288)
宮澤 基樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90549734)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 膵頭部領域癌 / アディポネクチン / サイトカイン / 術前運動療法 / 膵頭十二指腸切除術 / 術後合併症 |
研究実績の概要 |
【背景】運動療法がアディポネクチンやサイトカインの分泌に影響を及ぼすことが報告されている。今回、膵頭十二指腸切除における術前運動療法によるアディポネクチンおよびサイトカイン動態変化と術後合併症の関連性から、術後合併症を予測する新規バイオマーカーを探索した。【方法】対象は膵頭部領域悪性腫瘍のために膵頭十二指腸切除を行った患者50例である。術後合併症発症群と術後合併症なし群の2群にて術前運動療法前後の末梢血中アディポネクチンおよびIL-6, TNF-αを比較した。術後合併症の定義はClavian IIIa以上とした。【結果】術後合併症は16例(32%)に起こった。術後合併症の有無による運動療法前アディポネクチン値;術後合併症なし12.1±5.3μg/ml vs. 術後合併症あり9.2±3.9μg/ml(P=0.034)、運動療法後アディポネクチン値;術後合併症なし10.2±4.4μg/ml vs. 術後合併症あり7.9±3.7μg/ml(P=0.034)、運動療法前IL-6;術後合併症なしIL-6 3.1±6.1 pg/mL vs. 術後合併症あり1.8±2.2 pg/mL(P=0.504)、運動療法後IL-6;術後合併症なし2.9±4.9 pg/mL vs. 術後合併症あり1.5±1.6 pg/mL(P=0.350)、術前運動療法前TNF-α;術後合併症なし5.3±4.9 pg/mL vs. 術後合併症あり3.6±2.6 pg/mL(P=0.144)、術前運動療法後TNF-α;術後合併症なし5.4±3.8 pg/mL vs. 術後合併症あり4.9±3.7pg/mL(P=0.685)であった。術後合併症を認めた患者の運動療法前アディポネクチン値は有意に低値であった。【結果】運動療法前アディポネクチン値は膵頭十二指腸切除術後合併症の予測バイオマーカーとなりうることが示唆された。
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