研究課題
近年がん局所に浸潤したTリンパ球 (tumor-infiltrating lymphocytes; TILs) の密度ががんの予後や治療効果と相関することが報告されている。我々は、治療前の生検検体の解析から、CD8陽性TILの密度が直腸がんの術前放射線化学療法(CRT)の治療効果と相関があることを報告した。しかしながら、治療前のTILの複雑性が治療効果に与える影響、およびCRTによりTILの複雑性がどのように変化するかについては、これまで報告がなく不明である。本研究の目的は、CRT前後の直腸がん組織から抽出したRNAを用いて、次世代シークエンサーによるT-cell receptor(TCR)レパトア解析を行い、直腸がんのTILの複雑性と術前CRT治療効果の関係を明らかにすることである。昨年に引き続き、CRT施行前生検検体からRNAを抽出し、67検体よりレパトア解析可能なRNA量(800ng以上)を抽出できた。さらにCRT施行後検体からは23症例がレパトア解析可能なRNA量が抽出できた。その中から、今年度は術前生検検体より20症例のレパトア解析を行った。
3: やや遅れている
RNAを抽出の上、レパトア解析まで進むことができた。
残りのレパトア解析を完遂し、得られたデータをエクソーム解析・マイクロアレイ解析・免疫染色の結果と統合的に解析する。
十分なレパトア解析まで至らなかったため。今後は本研究計画を遂行するにあたって必要なレパトア解析、シークエンス解析、免疫染色などの物品費として使用する。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件)
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