進行直腸癌に対する術前化学放射線療法(CRT)の治療効果における腫瘍浸潤T細胞の多様性の意義は不明である。我々は、67症例の治療前生検検体のT細胞受容体(TCR)レパトア解析を行った。また、23症例については手術検体のTCRレパトア解析を行い、CRT前後のTCRレパトアの変化を解析した。TCRレパトアの多様性(DI)は効果良好群で効果不良群より有意に高く、CRT前後のTCRレパトアの変化の大きい群は小さい群より無再発生存率が有意に良好であった。治療前のTCRレパトアの複雑性と治療前後の動的な変化が進行直腸癌における術前CRTの治療効果を予測する有用な指標になる可能性が示唆された。
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