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2019 年度 実施状況報告書

消化器がんリスク関連機能SNPの解析及びその臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K08665
研究機関千葉県がんセンター(研究所)

研究代表者

中村 洋子  千葉県がんセンター(研究所), がん予防センター, 主席研究員 (60260254)

研究分担者 下里 修  千葉県がんセンター(研究所), がん予防センター 腫瘍ゲノム研究室, 室長 (30344063)
巽 康年  千葉県がんセンター(研究所), がん予防センター 腫瘍ゲノム研究室, 研究員 (00450578)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードがん / 遺伝子 / ゲノム / SNP / がん予防
研究実績の概要

これまでの研究から、8000名以上の健常者に対して前向きコホート調査を約13年間継続し、比較的若年で消化器がんを発症したリスク群、70歳までがんを発症せず、かつ家族歴もない非リスク群に対し409がん関連遺伝子のエクソーム解析を行い、リスク候補の3遺伝子に機能性SNPを同定した。本研究では、全国10万人J-MICCコホートと連携した検討及び過去の当施設での消化器がん症例400例をreplication cohortとして、遺伝統計学的解析を進めている。腫瘍体細胞変異に関しても全エクソームを解析し、臨床所見などについても多変量解析を加え、リスク候補の3遺伝子機能性リスクSNPと体細胞変異Signature や臨床所見との関連、サロゲートマーカーとしての可能性、がん予防、診断、予後予測、治療法等への利用可能性を追求するとともに、分子生物学的機能解析を試み、発がん感受性への関与の解明を計ることを目的としている。
遺伝子多型解析の結果、リスク候補の3遺伝子のうち、胃がんに関連した遺伝子AのSNPに着目した。さらに、臨床胃がん検体105症例についても遺伝子AのSNP解析を行い、コホート検体の胃がん40症例、臨床胃がん検体105症例から、それぞれ5症例、9症例に遺伝子AのSNPを見出した。また、胃がん症例数、非がん症例数を増やし、遺伝子AのSNP解析を行い、非がん症例でも遺伝子AにSNPが認められる理由について検討を行っている。さらに、遺伝子Aを単離し人工的に変異を導入して胃がん細胞株に発現させ、細胞増殖率や腫瘍形成率あるいは薬剤に対する感受性などの形質変化および関連遺伝子の発現パターン変化を調べるため、変異導入遺伝子の構築を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

SNP解析により胃がんに関連の深い遺伝子Aを見出した。この遺伝子の胃がんに対する機能を解析するため、人工的に変異を導入した遺伝子Aを作成し、胃がん細胞株に発現させた。その結果、変異を導入していない遺伝子Aと変異を導入したい遺伝子Aの細胞増殖能に対する差が認められた。
また、遺伝子Aを過剰発現させた細胞株より遺伝子Aと関連のあるいくつかの遺伝子が見出された。
胃がん症例における遺伝子Aを含むいくつかの遺伝子の発現を調べたところ、生存率と関連した遺伝子の発現パターンが認められた。

今後の研究の推進方策

今後は、非がん検体で遺伝子AのSNP解析を行った結果について検討し、非がんで遺伝子AのSNPが認められる理由を検討する。さらに、胃がん以外のがんにおいても遺伝子AのSNPが認められるか検討を行う。
胃がん症例において遺伝子Aを含めいくつかの遺伝子発現解析を行った。その遺伝子発現パターンと臨床情報等の因子との相関を調べ、胃がんとその遺伝子との関連を検討する。
遺伝子Aの機能解析を行うため、培養細胞に構築した変異遺伝子Aを導入し、細胞増殖率や腫瘍形成率あるいは薬剤に対する感受性などの形質変化および関連遺伝子の発現パターン変化をさらに調べる。

次年度使用額が生じた理由

次年度、胃がん以外のがん検体についても遺伝子AのSNP解析を拡大し行うため、遺伝子配列解析等の試薬、キット等の購入が必要である。
また、非がん検体数を増やし、遺伝子AのSNP解析を行い、その結果が意味するところを検討するため。
培養細胞に遺伝子Aを導入し、細胞増殖率や腫瘍形成率あるいは薬剤に対する感受性などの形質変化および関連遺伝子の発現パターン変化を前年度に続き調べるため、細胞培養関連の試薬、キット等が必要である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2020 2019 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) 備考 (2件)

  • [雑誌論文] A Nobel Multivariate Index for Cancer Risk Detection Based On the Serum Trace Elements: Metallo-Balance Method2020

    • 著者名/発表者名
      Naoyuki Okamoto1, Haruo Mikami2, Yohko Nakamura2, Miho Kusakabe2, Naohito Yamamoto3, Nobuhiro Takiguchi4, Yoshihiro Nabeya5, Hiroaki Soda6, Satoshi Fukasawa7 Takeshi Kishida8, Manabu Shiozawa9, Akira Yoshida10, Takuya Shimizu1, Shunsuke Fujimoto1, Mitsuhiro Ueda1, Seiichi Inagaki1 Yohei Miyagi11, Hiroki Nagase2
    • 雑誌名

      Journal of Cancer Epidemiology and Prevention

      巻: 5 ページ: 1

    • DOI

      10.36648/cancer.5.1.4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A multicentre clinical validation of AminoIndex Cancer Screening (AICS).2019

    • 著者名/発表者名
      Mikami H, Kimura O, Yamamoto H, Kikuchi S, Nakamura Y, Ando T, Yamakado M.
    • 雑誌名

      Sci Rep.

      巻: 9 ページ: 13831

    • DOI

      10.1038/s41598-019-50304-y.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Co-Inhibition of the DNA Damage Response and CHK1 Enhances Apoptosis of Neuroblastoma Cells.2019

    • 著者名/発表者名
      Ando K, Nakamura Y, Nagase H, Nakagawara A, Koshinaga T, Wada S, Makishima M.
    • 雑誌名

      Int J Mol Sci.

      巻: 20 ページ: E3700

    • DOI

      0.3390/ijms20153700.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Programmed expression of pro-apoptotic BMCC1 during apoptosis, triggered by DNA damage in neuroblastoma cells.2019

    • 著者名/発表者名
      Islam MS, Takano R, Yokochi T, Akter J, Nakamura Y, Nakagawara A, Tatsumi Y.
    • 雑誌名

      BMC Cancer.

      巻: 19 ページ: 542

    • DOI

      10.1186/s12885-019-5772-4.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] A large cohort study to evaluate the cancer screening test measuring serum trace and major element: Metallo-balance2019

    • 著者名/発表者名
      Haruo Mikami, Yohko Nakamura, Miho Kusakabe, Hiroki Nagase
    • 学会等名
      第78回日本癌学会学術総会
  • [備考] 千葉県がんセンター研究所

    • URL

      https://www.pref.chiba.lg.jp/gan/kenkyujo/index.html

  • [備考] 千葉県がんセンター研究所Facebook

    • URL

      https://www.facebook.com/CCCRI.chiba.gan.kenkyujo

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公開日: 2021-01-27  

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