研究課題/領域番号 |
18K08674
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
安田 裕美 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60586767)
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研究分担者 |
問山 裕二 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (00422824)
奥川 喜永 三重大学, 医学部, 助教 (30555545)
吉山 繁幸 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (60444436)
大井 正貴 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (40418752)
楠 正人 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50192026)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 胃癌 / 浮遊癌細胞 / 腹膜播種 |
研究実績の概要 |
2015年度の日本における胃癌の死者数は49,129人(男32,206人、女16,923人)で、死亡者数の多い疾患である。とりわけ腹膜播種は胃癌の転移再発形式として最も頻度の高く,播種が進行すると癌性腹膜炎に伴うイレウスや水腎症,腹水貯留を併発し、全身状態を著しく悪化させる。その治療に関しては、近年、胃癌全体に対する全身化学療法の効果が期待できるようになったが、薬剤の腹膜移行性が不良であることから胃癌腹膜播種に対する標準的治療は存在していないのが現状である。近年、腹膜切除+腹腔内温熱化学療法の有用性が報告されつつあるが、侵襲性が高く術後の生活の質も著しく低下することから、治療適応を決めるあらたなバイオマーカーの確立が急がれる。本研究は、胃癌腹水洗浄水ならびに胃癌術前、さらには術中血液におけるEpiCAM陽性細胞を採取・培養し、生着・非生着の有無を培養解析することで、その臨床的意義とmolecular profileを加えることで、腹膜播種・遠隔転移形成のあらたな機序を解明する。また同定したmolecular profileを用いて、腹膜播種に対する温熱化学療法や積極的な術後化学療法を行う上でのdecision making biomarkerの確立を目指すことを目的とするTwo way approachを行い、現在、極めて予後不良な経過をたどる胃癌腹膜播種転移に苦しむ胃癌患者の予後・QOLの向上をめざすことを目的とする。本年度は、胃癌組織や血清からのRNA抽出やDNA抽出を行い、さらにEpiCAM陽性細胞の抽出と初代培養を開始している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床検体からのDNAやRNA抽出、EpiCAM陽性癌細胞の初代培養系の確立にやや時間を要したため、進捗に遅れが生じている
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今後の研究の推進方策 |
今後は、胃癌術前・術中血漿よりEpiCAM陽性CTC抽出と初代培養の試みを並行しつつ、組織柄のアプローチとして腹膜播種進展にかかわる遺伝的発現の解析をすすめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
臨床検体からのRNAやDNA抽出、EpiCAM陽性癌細胞の初代培養系樹立に時間を要したため、やや研究計画に遅れが生じたため、次年度でのさまざまな発現解析を予定している
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