研究課題/領域番号 |
18K08675
|
研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
大井 正貴 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (40418752)
|
研究分担者 |
問山 裕二 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00422824)
楠 正人 三重大学, 医学系研究科, 寄附講座大学教員 (50192026)
吉山 繁幸 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (60444436)
安田 裕美 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60586767)
荒木 俊光 三重大学, 医学系研究科, リサーチアソシエイト (70343217)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | 食道癌 / 外科切除 / Exosome / 食道癌診断特異的パネル |
研究実績の概要 |
食道癌はアジアや南米に多い疾患であり、治療成績の向上した現在でも死亡者数、罹患数ともに依然として減少せず、医療需要の高い疾患といえる。一方、内視鏡技術の進捗に伴い、食道癌において内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行うことで、多くの早期食道癌は手術治療を回避し、治癒可能となってきた。食道癌根治手術のもたらす患者のデメリットは大きく、術後は食事摂取量低下、体重減少、下痢、逆流症状などQOL を著しく損なうこと多く、患者QOLのみならず、医療費の観点からも、内視鏡治療可能な早期の段階で非侵襲的に診断が可能となれば、国民の健康に貢献できるだけでなく、食道癌治療に関わる医療費の削減も期待でき、極めて意義深い。本研究は、食道癌特異的に分泌されるExosomeに特異的に発現する蛋白Xを同定し、その蛋白X陽性Exosomeに包埋された遺伝子情報を解析することで、非侵襲的なLiquid biopsyによる食道癌患者の診断から治療にわたる戦略を検証することである。まず癌特異的に分泌する蛋白を網羅的プロテオミクスから同定し、蛋白X陽性Exosome内のmicroRNAs profilingを行い、癌種識別Panelを作成することで、すべての固形癌種の正確な診断が可能だが、本研究は消化器癌の中でも食道癌診断特異的パネルを作成することを目的とする。さらに患者血清中から分離された血清蛋白X陽性ExosomeおよびExosome包埋microRNA profilingを用いて、内視鏡治療後の追加外科切除の可否を判定することを目指す。本年度は昨年度に組織や血液から抽出したRNAや蛋白を用いて、いくつかの候補分子の発解析を行い、その臨床的意義を明らかにするとともに、機能解析を開始することで、機序解明を目的として遂行中である。
|