研究課題/領域番号 |
18K08676
|
研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
三宅 亨 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70581924)
|
研究分担者 |
谷 眞至 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60236677)
生田 大二 滋賀医科大学, 医学部, 客員助教 (00581935)
徳田 彩 滋賀医科大学, 医学部, 医員 (80814392)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | Claudin / CT26 |
研究実績の概要 |
Claudinは接着因子であり、細胞間結合に重要な役割を果たす。本研究では癌リンパ節転移におけるClaudinの機能解析をおこなっている。 マウス大腸癌細胞株であるCT26を用いて、Claudin9の強制発現株を作成した。Claudin9の発現が上昇していることをqPCRで確認し、強制発現株ではCT26の親株と比較して約5000倍のmRNAの発現の上昇があることを確認した。また、western blottingを用いて、CT26でのClaudin9強制発現株においてClaudin9蛋白が高発現であることを確認した。次に、Claudin9の強制発現細胞株と親株であるCT26を用いて細胞増殖についてCCK-8を用いて検討した。CT26とClaudin9の強制発現細胞株では細胞増殖に有意な差を認めなかった。これより、in vitroにおいてはClaudin9はCT26の細胞増殖には影響しないと考えられた。また、EMT関連遺伝子についてqPCRを用いて検討したところ、Claudin9の強制発現細胞株ではsnai1とVimentinの発現が低 下していた。 確立した遺伝子改変細胞株をマウスへ静脈注射にて移植を行い、肺転移腫瘍の面積で検討すると肺転移がClaudin9高発現細胞株で増加していた。また、肺の重量も増加しており、肺転移の増加と矛盾しない結果であると考えられた。現在、薄切を作成し、染色にて癌微小環境を含めた検討を行う予定である。また、肺組織からRNAを抽出し、マイクロアレイにて発現を検討する予定である。 また、臨床検体を用いて大腸癌の原発巣におけるClaudin9の発現について検討を行うため、薄切スライドを作成し、免疫染色をおこなっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床検体を用いた免疫染色でClaudin9の染色は用意ではなく、さまざまな条件検討が必要であったため。
|
今後の研究の推進方策 |
今後はin vivoにおけるClaudin9強制発現株の肺転移からマイクロアレイを行い、機序解析を行う。 臨床検体におけるClaudin9の発現と予後との関連について検討をおこなう。
|
次年度使用額が生じた理由 |
細胞株の樹立など条件検討に時間を用し、抗体などの実験物品の必要性が遅れたため。
|