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2020 年度 実績報告書

Lgr5スプライシングバリアントに着目した大腸癌の新規治療開発のための基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 18K08678
研究機関大阪大学

研究代表者

高橋 秀和  大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10528508)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード進行再発大腸癌 / 癌幹細胞 / COX-2阻害剤
研究実績の概要

全長型LGR5、LGR5スプライシングバリアントの強制発現ベクターを独自で作成し、解析を開始している。報告のあるLGR5のリガンドであるR-spondin-1への反応性はスプライシングバリアントの方が強かった。これよりスプライシングバリアントの方がより効率良く増殖シグナルであるWNTシグナルを細胞内へ伝えていることがわかった。コンピューターグラフィックスを用いたin silicoでの解析により本結果の妥当性が裏付けられた。本研究では、さらに踏み込み、すでに作成しているLGR5の各フォームの強制発現ベクターを足がかりに、まず細胞株を用いた実験を中心に、細胞内シグナルの共役分子となりうる分子新規をタンパクレベルでの網羅的解析を行うことにより絞り込みを行った。その結果、Syntenin-1(SDCBP)が共役分子の候補として浮かび上がった。
大腸癌細胞株SW480, SW620, HT29を用いて、Syntenin-1の抑制を行い、遺伝子発現の網羅的解析を行った結果、プロスタグランディンシグナルに変化を認めた。これはCOX2を阻害した時の挙動と同じであった。このことからSyntenin-1のCOX-2シグナルへの関与が示唆された。LGR5は幹細胞性を司ると言われるが、Syntenin-1の阻害はこの幹細胞性を裏付けるように抗がん剤耐性を低下させた。
この事実を臨床応用するに際し、現在施行されている化学療法の感受性を増強させるためにCOX-2阻害剤との併用を行ったところ、著明な相乗効果を認めた。現状の化学療法もCOX-2阻害剤も臨床応用が可能なため、有用なコンビネーション療法としての可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Syntenin-1 promotes colorectal cancer stem cell expansion and chemoresistance by regulating prostaglandin E2 receptor2020

    • 著者名/発表者名
      Kazuya Iwamoto 1 , Hidekazu Takahashi 2 , Daisuke Okuzaki 3 , Hideo Osawa 1 , Takayuki Ogino 1 , Norikatsu Miyoshi 1 , Mamoru Uemura 1 , Chu Matsuda 1 , Hirofumi Yamamoto 1 , Tsunekazu Mizushima 1 , Masaki Mori 4 , Yuichiro Doki 1 , Hidetoshi Eguchi 1
    • 雑誌名

      Br J Cancer

      巻: 123 ページ: 955-964

    • DOI

      10.1038/s41416-020-0965-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] DCLK1 integrates induction of TRIB3, EMT, drug resistance and poor prognosis in colorectal cancer2020

    • 著者名/発表者名
      Makino S, Takahashi H, Okuzaki D, Miyoshi N, Haraguchi N, Hata T, Matsuda C, Yamamoto H, Mizushima T, Mori M, Doki Y.
    • 雑誌名

      Carcinogenesis

      巻: 14:41(3) ページ: 394-396

    • DOI

      10.1093/carcin/bgz157

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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