研究課題
本年度は、スキルス胃癌細胞株と胃由来の線維芽細胞とを混合して培養し、線維化の程度を検証する実験を行った。免疫不全マウスの皮下に移植する実験では、スキルス胃癌細胞株と胃由来の線維芽細胞の比を1:1、1:2で行っても、うまく線維化が再現できなかったので、さらに混合比を変えて、三次元培養のIn vitroの系で行った。スキルス胃癌細胞株と胃由来の線維芽細胞の比を1:1、1:2で行ったところ、やはりマウスの系と同様に、線維化は有意には再現できなかった。次に1:10、1:20で行ったところ、癌細胞の増殖は遅かったが線維化は生じていたため、1:10から1:20の比率で実験を行うこととした。次に、Hedgehogシグナル阻害剤がスキルス胃癌細胞株と胃由来の線維芽細胞の混合培養系に及ぼす影響をIn vitroで解析した。Hedgehogシグナル阻害剤としてシクロパミンを使用した。シクロパミン添加により、線維芽細胞の増殖や遊走は有意に抑制されることが分かった。また、胃癌細胞に及ぼす影響として、前の研究結果の通り、シクロパミン添加により、増殖、遊走、浸潤は有意に抑制されることを確認した。現在、スキルス胃癌細胞株と胃由来の線維芽細胞とを1:10で混合する系で免疫不全マウスに皮下移植を行い、線維化の程度を確認する実験系を計画中である。線維化がin vitroでの結果通り、うまく誘導できれば、シクロパミン投与による治療実験につなげる予定である。
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