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2019 年度 実施状況報告書

消化器癌における効果的なイリノテカン療法を目指したバイオマーカーおよび新薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K08683
研究機関九州大学

研究代表者

安藤 幸滋  九州大学, 大学病院, 助教 (20608864)

研究分担者 沖 英次  九州大学, 大学病院, 講師 (70380392)
佐伯 浩司  九州大学, 大学病院, 講師 (80325448)
中西 良太  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90771254)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードtopoisomerase I / イリノテカン / ユビキチン / BRCA1
研究実績の概要

本研究課題はイリノテカンをはじめとしたtopoisomerase I阻害剤の耐性機構解明から派生したものである。topoisomerase I阻害剤耐性にはtoposiomerase I(topoI)の分解がカギとなる。topoIが分解されている癌細胞株ではtopoI阻害剤に耐性となる。このメカニズムにはリン酸化されたtopoI(topoI-pS10)を指標としてBRCA1がtopoIに結合し、ユビキチン化すること、が重要となる。よって、topoI-pS10はtopoI阻害剤への感受性バイオマーカーとなり、また、BRCA1のtopoIの結合を阻害することができれば、耐性を克服できると考えられる。
topoI阻害剤感受性バイオマーカーに関しては胃癌、大腸癌症例を中心に検討を行った。イリノテカンを用いた症例(胃癌:27例、大腸癌176例)で検討を行った。イリノテカン感受性とtopoI-pS10発現を検討したところ、胃癌では感度が82.4%(95%CI:56-95)、特異度が70%(95%CI:35-92)であいr、大腸癌では感度が87.5%(95%CI:78-94)、特異度が70%(95%CI:56-79)であり、topoI-pS10がイリノテカン感受性バイオマーカーとなりうることが示唆された。
また、topoI阻害剤の新たな治療法に関しては、BRCA1とtopoI結合を阻害する小分子化合物の開発を行った。小分子化合物ライブラリスクリーニングを行い、topoI阻害剤と小分子化合物をともにtopoI阻害剤耐性大腸癌細胞株に暴露した際にtopoIが分解されない小分子化合物をスクリーニングした。この中で、一つの小分子化合物を見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

感受性バイオマーカーtopoI-pS10に関しては、臨床検体での検討が進んでいる。感度、特異度ともに高い値で出ており、今後、臨床応用が有望であると考える。
新たな小分子化合物の開発に関してはスクリーニングの結果、一つの小分子化合物を見出した。この小分子化合物を中心に検討を加えていけば、新たな薬剤開発へつながると考える。

今後の研究の推進方策

感受性バイオマーカーに関しては、もう少し検討を加えていく。具体的には胃癌、大腸癌症例においてイリノテカンを用いた臨床検体を収集し、topoI-pS10発現の検討を加えていく。これがいい成績を残せば、本バイオマーカーを用いた臨床試験を行っていきたいと考える。新規小分子化合物に関しては、今後検討を加えていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] TopoI-pS10 as a new sensitive predictive biomarker for topoisomerase I inhibitor response to gastric cancer2020

    • 著者名/発表者名
      Koji Ando1, Hu Qingjiang1, Yasuo Tsuda1, Yoko Zaitsu1, Yuichi Hisamatsu1, Yuichiro Nakashima1, Yasue Kimura1, Eiji Oki 1, Ajit Bharti2 and Masaki Mori1
    • 学会等名
      第92回日本胃癌学会

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公開日: 2021-01-27  

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