研究課題/領域番号 |
18K08687
|
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
喜多 芳昭 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (30570692)
|
研究分担者 |
盛 真一郎 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 助教 (00620519)
田辺 寛 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (40814306)
関 直彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50345013)
夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70237577)
伊地知 徹也 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (70791531)
大迫 祐作 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (80791532)
|
研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | オルガノイド / Notch |
研究実績の概要 |
①世界初で食道扁平上皮癌の生検組織から3D培養しオルガノイドの作成に成功し,形成オルガノイドは,作成率,大きさ,形態,継代に各症例で違いを認めていること,さらに 5FUを用いて抗癌剤耐性を確認したところ,癌オルガノイドは化療耐性を示しており,実際の臨床奏効とも相関を認めていることを明らかにし,論文発表した(Kijima T et al, Three-Dimensional Organoids Reveal Therapy Resistance of Esophageal and Oropharyngeal Squamous Cell Carcinoma Cells. Cell Mol Gastroenterol Hepatol. 2018 Sep 14;7(1):73-91).現在,オルガノイドとfibroblastとの共培養にむけて,培養環境の条件を検討中である. ②食道癌臨床サンプルの次世代シークエンス解析によって抽出されたマイクロRNAの1つであるmir-145-3pが,ターゲットであるdehydrogenase/reductase member 2 (DHRS2) とmyosin IB (MYO1B)を抑制し,がん抑制に働くことを報告した(Shimonosono M et al, Molecular pathogenesis of esophageal squamous cell carcinoma: Identification of the antitumor effects of miR 145 3p on gene regulation. Int J Oncol. 2019). さらに,このmir-145-3pが継代可能であったオルガノイドでの発現を検討している.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床組織そのものは,癌細胞と正常細胞が混在していて,培地の条件に適した(選択された),一部の癌細胞(低分化様の細胞)が継代に成功しているにすぎないことをい明らかにしつつあり,培養細胞を用いたオルガノイドとfibroblastとの共培養にむけて,培養環境の条件を検討中であり,ある電解質の濃度に依存していることを突き止めつつある. さらに,EMT関連分子とNotch familyにも着目し検討を進める予定である. 治療耐性についてさらに大腸癌の化学療法後切除サンプルで次世代シークエンス解析を行っており,多方面からのアプローチを行っている.
|
今後の研究の推進方策 |
培養細胞を用いたオルガノイドとfibroblastとの共培養を進めていく一方で,EMT関連分子,Notch familyのオルガノイドでの発現を検討,さらには,網羅的解析まで視野にいれる. さらに加療後に切除を行った組織のオルガノイド培養を進めていく.
|