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2018 年度 実施状況報告書

胃癌DNA二重鎖損傷修復機構破綻の包括的評価と臨床的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K08698
研究機関新潟大学

研究代表者

堅田 朋大  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (20815782)

研究分担者 若井 俊文  新潟大学, 医歯学系, 教授 (50372470)
市川 寛  新潟大学, 医歯学系, 助教 (50721875)
島田 能史  新潟大学, 医歯学系, 助教 (20706460)
永橋 昌幸  新潟大学, 医歯学総合病院, 研究准教授 (30743918)
羽入 隆晃  新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (50719705)
小杉 伸一  新潟大学, 医歯学総合病院, 特任教授 (90401736)
廣瀬 雄己  新潟大学, 医歯学総合病院, 特任助教 (10737365)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードDNA二重鎖切断 / 相同組換え修復 / 胃癌 / 化学療法
研究実績の概要

癌関連435遺伝子で構成された癌遺伝子解析パネルにより胃癌におけるHomologous Recombination(HR)関連遺伝子異常の評価、および臨床的意義を明らかにした。
課題Aでは癌遺伝子解析パネルが実施された207例の胃癌患者のうち、胃切除後に切除不能胃癌と診断され白金系抗癌剤を用いた化学療法が実施された26例の患者を対象として、原発巣の腫瘍組織におけるγH2AX-LIを評価した。しかしながら、HR関連遺伝子異常の有無とγH2AX-LI計測結果に統計学的な関連を認めなかった。
課題Bでは、同26例の患者を対象として、対象患者の全奏効率、無増悪生存期間、病勢コントロール率、全生存期間について評価した。BRCA1/2遺伝子異常を12%/8%に認め、HR遺伝子異常を6例(23%)に認めた。HR破綻群では白金系抗癌剤を用いた化学療法に対して高い奏効率を示していた。HR破綻群/HR非破綻群での全奏効率、病勢コントロール率はそれぞれ60%/27%(P=0.29)、100%/47%(P=0.06)であった。HR破綻群/HR非破綻群の無増悪生存期間中央値、全生存期間中央値はそれぞれ10ヶ月/3ヶ月(P=0.021)、18ヶ月/8ヶ月(P=0.024)であった。HR遺伝子異常によるHR破綻は切除不能胃癌に対する白金系抗癌剤を用いた化学療法に奏功することと関連しており、治療後の予後良好な因子であった。
課題Cでは、同26例の患者を対象として、原発巣の腫瘍組織におけるγH2AX-LIと、対象患者の臨床病理学的因子、RECISTによる腫瘍縮小効果判定、再発後の無増悪生存期間、及び全生存期間との統計学的に有意な関連は認められなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究は癌関連435遺伝子で構成された癌遺伝子解析パネルにより胃癌におけるHomologous Recombination(HR)関連遺伝子異常の評価、および臨床的意義を明らかにすることを目的とした。実験および結果の解析を終えて、課題Aでは癌遺伝子解析パネルによるHR関連遺伝子異常と、胃癌腫瘍組織におけるDNA二本鎖損傷の評価とを比較したものの、統計学的な関連は認められなかった。課題Bにおいて癌遺伝子解析パネルが実施した207例において、再発治療として白金系抗癌剤を受けた症例の検討により、HR関連遺伝子異常を認める症例では白金系抗癌剤の治療効果が高く、再発後の予後が良好であることが示された。その一方で、抗γH2AX抗体による免疫組織化学により評価された胃癌DNA二本鎖修復機構の破綻と白金系抗癌剤の治療効果との統計学的な関連は認められなかった。上記研究成果を2019年2月5日-7日の14th Academic Surgical Congress(国際学会)にて発表した。

今後の研究の推進方策

課題A・B・Cの実験および結果の解析を終えて、国際学会にて発表を行った。癌遺伝子解析パネルが実施した207例において、再発治療として白金系抗癌剤を受けた26例の検討により、HR関連遺伝子異常を認める症例では白金系抗癌剤の治療効果が高く、再発後の予後が良好であることが示された。HR関連遺伝子異常を基軸とした胃癌薬物治療の発展への足がかりとすべく、同内容を中心に論文化を行っていく。これまでの研究結果では、γH2AX-LIとHR関連遺伝子の異常の有無に関連は認められなかった。現時点で遺伝子変異データを用いてMutational signature解析は未施行であるため、今後はMutational signatureの評価を行い、HR関連遺伝子異常やγH2AX-LI、白金系抗癌剤治療との関連についても検討を加える。

次年度使用額が生じた理由

翌年分として請求した助成金と合わせて、蓄積した遺伝子変異データ保管用の記録媒体の購入、国内や国際学会での発表のための費用、論文作成や投稿のための費用として利用することを予定している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Defective Homologous Recombination in Platinum-based Chemotherapy for Gastric Cancer2019

    • 著者名/発表者名
      T. Katada, H. Ichikawa, Y. Hirose, M. Nagahashi, Y. Shimada, T. Hanyu, T. Ishikawa, Y. Kano, Y. Muneoka, J. Sakata, T. Kobayashi, H. Kameyama, T. Wakai
    • 学会等名
      14th Annual Academic Surgical Congress
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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