研究課題
本研究の目的は、肝細胞癌HCCに特異的な循環腫瘍細胞CTCの一細胞解析から、CTCが獲得する形質を探索し、CTCの免疫逃避解除法を開発することである。HCC切除132例(2015-2018年)の検討から、GPC3-CTC、AFP、DCP、多発腫瘍が術後再発の独立危険因子であることを明らかにした。HCC切除255例のマクロファージ免疫チェックポイント分子SIRPαIgVドメインヴァリアント解析では、V1ヴァリアントはV2およびV1/V2ヴァリアントに比較して、無再発生存率(p=0.011)、生存率ともに有意に不良であった(p<0.001)。GPC3-CTCにおける CD47発現率は、CD47陽性75%以上が55例(43.7%)、75%未満71例(56.3%)であり、2群間の予後に差は見られなかった。CD47陽性CTCの検出個数が増えるに従って予後不良の傾向がみられたが、有意ではなかった。患者血液及び切除肝灌流液から単離したマクロファージの機能解析を行なっている。HCC切除321例のT細胞免疫チェックポイント分子PD-1遺伝子多型PD-1.1の解析では、PD-1高発現型のGGアレルは有意に肝外再発率が高率で(p=0.036)、全生存率が不良であった(p=0.009)。GPC3-CTCにおける PD-L1発現解析を継続している。
すべて 2020
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (2件)
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