研究課題/領域番号 |
18K08714
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
今藤 裕之 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (80790641)
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研究分担者 |
上田 悟郎 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (00811720)
齊藤 健太 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (10770240)
松尾 洋一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (40381800)
林 祐一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (60811726)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 膵癌 / 放射線耐性 / CXCL12/CXCR4シグナル / 浸潤 / CXCR4阻害剤 |
研究実績の概要 |
われわれは,膵癌細胞株(MIA PaCa-2, SW1990)に放射線を分割照射することで放射線耐性膵癌細胞株を樹立した.耐性株では親株と比較して,CXCR4 mRNA発現および細胞膜上でのCXCR4タンパク発現が亢進していることを,RT-PCR,CXCR4 ELISAおよび蛍光免疫染色で再確認した.CXCR4/CXCL12シグナルは癌の浸潤に関与していることが報告されており,CXCR4の発現が亢進している耐性株と親株のと間の浸潤能の変化を浸潤実験で評価した.耐性株および親株にCXCL12を投与すると浸潤能が亢進することを確認した.CXCL12は線維芽細胞が分泌することが報告されており,膵癌細胞株と線維芽細胞株を共培養すると耐性株,親株ともに浸潤能が亢進し,親株と比較して耐性株で有意に浸潤能が亢進することを確認した.また,これらの亢進した浸潤能がCXCR4阻害剤で有意に抑制されることを確認した.前年度にMIA PaCa-2の耐性株で上記を確認していたが,SW1990においても同様の結果を確認した. CXCR4阻害剤の放射線耐性に対する影響を評価する目的で耐性株および親株にCXCR4阻害剤を投与しつつ放射線照射を行いコロニー形成能を評価した.耐性株にCXCR4阻害剤を投与すると細胞増殖能には影響がないものの,放射線照射後のコロニー形成能が低下する傾向を認めており,この作用を確認する研究を進めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究実施計画に沿って研究を進めているが,血管新生能の評価実験において予想した結果が得られておらず,進捗は遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
浸潤能の変化の機構を解明するためにzymographyでの評価を検討している.血管新生実験を継続する.良好な結果が得られれば動物実験への着手を予定する.
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬や資材についてコストダウンを図ったため今年度の使用額が予定よりも少なくなった.次年度に計画している研究で用いていく予定である.
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