研究課題/領域番号 |
18K08723
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安達 理 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (30375092)
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研究分担者 |
齋木 佳克 東北大学, 医学系研究科, 教授 (50372298)
秋山 正年 東北大学, 大学病院, 講師 (80526450)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 急性大動脈解離 / Stanford B型大動脈解離 / 再生医療 |
研究実績の概要 |
本研究はStanford B型急性大動脈解離モデルマウスにMuse細胞を投与した際に、解離血管の保護・修復に効果があるかどうかを検討することを目的としている。初年度である2018年度はStanford B型急性大動脈解離モデルマウス作成の手技の安定化と、大動脈解離評価方法の確立、Muse細胞の単離手技の安定化を目的としている。モデルマウスは先行文献を参考に、4週齢の野生型雄マウスにBAPN (β-aminopropionitrile monofumarate) (Sigma-Aldrich社) を1g/kg/dayで4週間経口投与した後、浸透圧ポンプ (Alzet社) を背側皮下に埋め込み、アンジオテンシンⅡを1μg/kg/minで24時間持続投与し、解離を作成した。解離の発症率 (モデルマウス作成の成功率)は100%であった (大動脈の病理組織学的評価ができた13匹中13匹にStanford B型大動脈解離を認めた)。また、モデルマウスは33.3%(15匹中5匹)が大動脈破裂により死亡したため、死亡率低下を目的に、アンジオテンシンⅡの濃度を減量したモデルも検討したが、0.7μg/kg/minで24時間持続投与したモデルでは26.6%(15匹中4匹)が大動脈破裂により死亡し、0.5μg/kg/minで24時間持続投与したモデルでは25%(15匹中4匹)が大動脈破裂により死亡した。アンジンオテンシンⅡ濃度の差による死亡率は有意差が認められなかった(p>0.05)ため、アンジオテンシンⅡ濃度は1μg/kg/minで24時間持続投与することを決定した。また、解離した大動脈径はマウス用CT (HITACHI社)を用いて造影CTを撮像することで可能であった。さらに、ヒト骨髄間葉系細胞 (Lonza社)からMuseを単離することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であればSCIDマウスを用いたモデルマウス作成を進めている予定であったが、野生型モデルマウスの大動脈解離破裂による死亡率を低下させるためにアンジオテンシンⅡの濃度による差を検討する実験を追加したため、まだ着手できていない。
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今後の研究の推進方策 |
SCIDマウスを用いてモデルマウスを作成し、Muse細胞を投与することで大動脈解離血管の保護・修復に効果があるかどうかを検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
効率的に研究を行った結果、次年度使用額が生じたが、引き続き本研究の消耗品購入に充てる。
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