研究分担者 |
杉本 昌之 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (00447814)
高橋 範子 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (10439177)
古森 公浩 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40225587)
柴田 玲 名古屋大学, 医学系研究科, 寄附講座教授 (70343689)
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研究実績の概要 |
In vitro マクロファージを培養後、TNF-αで刺激した。その後、アピキサバンを含む培地を添加し、qPCRを用いて遺伝子発現解析を行った。アピキサバン添加濃度は投与なし(control)、20µM、200µMの3種類の濃度で行った。qPCR時にはGAPDH,MMP-9,TNF-α,interleukin(IL)-1b,IL-6,NF-κB,monocyte chemotactic protein(MCP)-1のプライマーを使用した。 In vivo ApolipoproteinE-/-マウス動脈瘤モデルを使用した。生食群,アピキサバン投与群に分類し、動脈瘤形成の予防効果につき検討を行った。生食群(N=4),アピキサバン5mg/kg/day投与群(N=4)の2群に分類した。投与開始後7、14、21、28日目に超音波検査にて大動脈瘤径の計測を行った。投与開始後28日目に屠殺、解剖し大動脈瘤径を計測した。 結果:In vitro MCP-1 の遺伝子発現はcalcitriolを添加した群で有意に抑制された。IL-1b、MMP-9はcontrolに対して有意に遺伝子発現が高かった。TNF-α、NF-κBではグループ間に有意差を認めなかった。In vivo 生食群のうち1匹はday6に死亡した。胸腔内出血を認めたが、明らかな動脈瘤形成や破裂は認めなかった。アピキサバン群のうち2匹はday 6とday7に死亡した。原因は不明であった。解剖時の大動脈瘤径(生食群 vs アピキサバン群; 2.1 vs 2.7 (mm))には有意差は認めなかったがアピキサバン群でやや大きくなっている傾向を認めた。(p=0.46)。 結論:In vitroでは、アピキサバン投与でMCP-1の遺伝子発現は抑制されたが、IL-1b、IL-6、MMP-9では遺伝子発現を促進する結果となり、アピキサバンのマクロファージに対する抗炎症効果は確認できなかった。In vivoにおいても、アピキサバン投与では動脈瘤抑制、予防効果も明らかではなかった。
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