研究課題
基盤研究(C)
動脈硬化研究は血管内腔側からの解明が主体であった。)新たな動脈硬化研究へのアプローチとして脂肪に着目し、その炎症性サイトカインを測定し、炎症が血管外側から動脈硬化に関係しているのか解明する。動脈硬化を有する冠動脈周囲脂肪で炎症惹起サイトカイン(IL-1b,IL-6)が高い発現量を示した。また炎症抑制サイトカインであるIL-10も有意に高かった。これは冠動脈周囲脂肪における炎症が動脈硬化に関わっていることが示されたと考えている。
心臓血管外科
(1)非動脈硬化疾患の弁膜症症例と、動脈硬化疾患の冠動脈バイパス術症例(糖尿病症例と非糖尿病症例とを区分)で採取した冠動脈周囲脂肪組織を比較して、炎症細胞の集積様式と各種サイトカインの産生・分泌量の違いを定量する。また、これまでに報告されていないサイトカインの探索と同定を行う。この探索と同定には、胸部大動脈周囲、内胸動脈周囲、胃大網動脈周囲、皮下などから採取した脂肪組織より分泌されるサイトカインも参考にする。これにより、まず、動脈硬化冠動脈周囲の脂肪組織の特性を明らかにする。