研究課題
ラット心筋梗塞モデルに対する微重力で無血性培養した幹細胞による心筋保護効果に関する検討を行った。微重力培養とSTK2を利用した無血性培養の併用の至適条件を決定した。形態学的に均質化した間葉系幹細胞(MSC)の作成が可能であった。細胞数に関しては、骨髄から採取する細胞数を増やせば大量に培養することは可能であったが、preliminaryな実験を通じて費用対効果が適切ではないと判断、通常の細胞数での検討を継続することとした。また、今回の実験に際して、抗炎症作用をの複合させる結果を見出すことが困難と判断したため、微重力の効果を重点的に研究することとした。心筋梗塞ラットに微重力培養したMSCを投与することによる心筋保護作用ならびにアポトー シスの抑制作用を検討した。微重力培養細胞投与群(MSC-MG群)、通常培養細胞投与群(MSC-1G群)、PBS投与群(PBS群)、sham群の4群にて比較検討した。投与心筋梗塞ラットの作成は、左肋間開胸、心膜切開にて心臓を露出し、左心耳右縁の心筋に7-0プロリンにて前下行枝の結紮による心筋梗塞を作成した。前下行枝領域の梗塞モデルを作成し、心エコーにて心機能評価を行った。心エコーでの評価では、術後7日目での左室駆出率は、MSC-MG群がMSC-1G群及びPBS群よりも良い傾向が認められた。心筋梗塞モデルの不安定性から4群の投与前および投与後状態の均一化が十分に図ることが出来ず、今後の課題であると考えられた。組織学的検討では、心筋梗塞部位における機能的毛細血管開通率は、MSC-MG群で高い傾向があり、微重力培養細胞の血管新生に与える影響が認められた。VEGFs発現に関しては有意差を認めなかったが、angiopoietinやpdgfcの変化を認められた。
すべて 2020
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Stem Cell Res Ther .
巻: 11 ページ: 130,144
10.1186/s13287-020-01642-6.