現在、本邦では、細胞をシート状態で移植する細胞シートが再生医療等製品として認可されており、また、様々な疾患に対して細胞シート移植が臨床研究として実施されている。その細胞培養工程において、細胞シートを作製するのに必要となる細胞数まで細胞を培養した後に、細胞を凍結することはあっても、細胞シートを凍結することを細胞培養の工程に組み込むことは、現在の細胞シート凍結技術では難しいのが現状である。 しかし、細胞シート移植治療を普及させるためには、コストダウンが必要であり、その一つとして、細胞シート凍結技術の確立が求められている。 今年度は、3Dフリーザーによる細胞シート凍結時に使用する細胞保存液の検討を行った。細胞保存液としては、市販されている細胞保存液11種類を使用した。使用する細胞保存液で、細胞生存率の結果は大きく異なる結果であった。DMSOを含有している2種類の細胞保存液では、安定して高い細胞生存率が得られた。
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