研究課題/領域番号 |
18K08753
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
高森 督 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (80397273)
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研究分担者 |
腰地 孝昭 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 教授 (40273536)
森岡 浩一 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (80210144)
山田 就久 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (00397283)
田邉 佐和香 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 助教 (00401993)
川村 祐子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (70791929)
矢野 啓太 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 医員 (90795634)
水永 妙 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (90828758)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 小口径人口血管 PD-ECGF |
研究実績の概要 |
本研究ではヒト血小板由来内皮細胞成長因子(PD-ECGF/別名Thymidine Phosphorylase;以下PD-ECGF)及び生体分解性ゲルをDDS(Drug Delivery System)として用いた小口径人工血管を作製し、イヌ頸動脈バイパスモデルのおいてその長期開存性について評価・検討することにより、長期開存性に優れた小口径人工血管開発の可能性を追求することを目的とする。これまでPD-ECGFを用いた遺伝子治療の研究を行い血管新生促進作用、心筋細胞のアポトーシス制御作用、心機能改善効果を確認している。またPD-ECGFは血管傷害モデルにおいて傷害部の血管内膜肥厚を制御すること、血管バイパス術静脈グラフトにおいて新生内膜肥厚を制御することを確認しており、これらはいずれも内膜肥厚に主要な役割を果たす血管平滑筋の増殖を抑制した結果である。この結果は小口径人工血管におけるグラフト狭窄予防に有用と考える。更にPD-ECGFには内皮細胞の遊走を促す作用も確認しており、このことは人工血管の抗血栓性に寄与すると考えられる。令和元年度は、径4mmのwoven dacron人工血管にフィブリンゲルにてコーティングを施行し、これを用いてイヌ頸動脈バイパスモデルを作成した。研究計画に沿ってノンコーティング人工血管にて置換した群、生体分解性ゲルコーティング(PD-ECGF遺伝子を含まず)人工血管にて置換した群、生体分解性ゲルコーティング(PD-ECGF遺伝子を含む)人工血管にて置換した群、生体分解性ゲルコーティング(対照遺伝子LacZ遺伝子を含む)人工血管にて置換した群に分けバイパスモデルを作成した。術後急性期(術後1週後、2週後)に超音波検査を施行したが、全例バイパス閉塞が確認されたため、人工血管コーティングの見直しが必要となり、長期モデル評価に進むことができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
径4mmのwoven dacron人工血管にフィブリンゲルにてコーティングを施行し、これを用いてイヌ頸動脈バイパスモデルを作成した。 研究計画に沿ってノンコーティング人工血管にて置換した群、生体分解性ゲルコーティング(PD-ECGF遺伝子を含まず)人工血管にて置換した群、生体分解性ゲルコーティング(PD-ECGF遺伝子を含む)人工血管にて置換した群、生体分解性ゲルコーティング(対照遺伝子LacZ遺伝子を含む)人工血管にて置換した群に分けバイパスモデルを作成した。 術後急性期(術後1週後、2週後)に超音波検査を施行したが、全例バイパス閉塞が確認されたため、人工血管コーティングの見直しが必要となり、長期モデル評価に進むことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在新たにコーティング法を変更した人工血管を作成しており、これを用いたバイパスモデルを作成し、急性期及び長期モデルでの評価を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
上述の通り急性期モデルでの閉塞が確認され、バイパスモデルの見直しが必要となり予定頭数の手術が行えなかったためイヌ購入費及び検査材料費を次年度使用に変更することとなった。今後は、計画書からは遅れているものの、当初予定していたバイパスモデル作成及び検査の費用として使用する予定である。
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