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2018 年度 実施状況報告書

重症心不全に対する脂肪細胞由来再生細胞シートを用いた心筋再生療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K08757
研究機関鳥取大学

研究代表者

西村 元延  鳥取大学, 医学部, 教授 (90291442)

研究分担者 中村 嘉伸  鳥取大学, 医学部, 准教授 (80335538)
原田 真吾  鳥取大学, 医学部, 助教 (80529420)
岸本 祐一郎  鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (20623911)
研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード心筋再生治療 / 脂肪幹細胞
研究実績の概要

虚血性心筋症による重症心不全に対する新しい治療法として、心筋再生治療が期待されている。心筋再生治療には種々の細胞が試みられているが、本研究では脂肪幹細胞(Adipose Derived Stem Cells : ADSC)を用いる。ADSCは脂肪組織中に大量に存在する間葉系幹細胞で、様々な治療分野での利用が研究されている。ADSCは皮下脂肪より多量に採取できるため採取時における患者への侵襲が軽い。一方、血管新生因子を多く分泌することが報告されており、また近年では心血管系細胞へ分化する可能性も指摘されている。以上より、ADSCは心筋梗塞後の心筋症に対して効果が期待される。本研究ではADSCを用いた細胞シートによる心筋再生療法の臨床応用を目指した実験的検討をおこない、虚血性心筋症による重症心不全に対する新たな治療法となりうるか否かについて検討する。
本年度は以下の実験を行なった。
1)ADSC、筋芽細胞を分離・培養し、細胞シート作成方法を確立
野生型ならびに緑色蛍光蛋白質/ルシフェラーゼ遺伝子搭載遺伝子改変ラット大腿部より脂肪組織を採取、コラゲナーゼ処理を行い、組織を分散させ、脂肪細胞を除去、ADSCを分離し、温度応答性培養皿で培養し、細胞シートを作成した。現在、細胞数、温度、培養液等を検討し、至適培養条件を探っている。
2)ラット心筋梗塞モデル作成、シート移植、心機能評価
6週齢のLewis ラットを全身麻酔下に左開胸を行い、冠動脈前下行枝を結紮することにより、心筋梗塞モデルを作成している。安定したモデルが作成できるようになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ラット心筋梗塞モデルの作成、脂肪幹細胞シートの作成まで進んだ。次年度は、このモデルを用いた脂肪幹細胞シートの効果を見る予定である。

今後の研究の推進方策

病理学的検討および組織における血管新生因子の発現の検討をおこなう。
野生型ならびに緑色蛍光蛋白質/ルシフェラーゼ遺伝子搭載遺伝子改変ラットADSCシート移植後4週目に犠牲死させ、心臓を摘出する。病理標本を作製し、心室の拡大、壁厚、線維化について検討を行う。移植細胞の生着率については、移植前に蛍光色素で移植細胞を標識しておき、摘出後の標本を蛍光顕微鏡で観察し検討する。また摘出した心筋を、梗塞部、正常部、境界部に分け、それぞれの組織よりmRNAを抽出する。Real-time RT-PCRを用いて、bFGF、HGF、VEGF等の血管新生因子を測定し、細胞シートによりどれだけ血管新生因子が増加しているかについて検討する。
GFPならびにルシフェラーゼに対する抗体を用いて、ADSCが心筋や血管に分化しているか否かを検討する。ランゲンドルフ装置を用いて、コラゲナーゼにより野生型ならびに緑色蛍光蛋白質/ルシフェラーゼ遺伝子搭載遺伝子改変ラットADSC移植を移植した心臓から細胞を単離し、細胞分取器(FACS)を用いて、GFPならびにルシフェラーゼ陽性ADSC細胞を採取し、心筋ならびに血管の遺伝子マーカーの発現を確認することでADSCが心血管系に分化する可能性を検討する

次年度使用額が生じた理由

今年度、心筋梗塞モデルと脂肪幹細胞シートの作成に成功したので、次年度は、本格的な実験を行う。今年度はパイロット的な研究であったため、使用額が少なかった。

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公開日: 2019-12-27  

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