研究課題/領域番号 |
18K08760
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
森景 則保 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (50335741)
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研究分担者 |
上野 耕司 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (30736070)
佐村 誠 山口大学, 医学部附属病院, 診療助教(4日/週) (30773402)
濱野 公一 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60263787)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 脊髄虚血再灌流障害 / エクソソーム |
研究実績の概要 |
胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術は、脊髄虚血再灌流障害の為に約3-8%の患者に一過性または永久的な下肢麻痺が生じる。本研究では、その下肢麻痺を防ぐ方法として、エクソソームの投与が有用であるか否か検討するものである。エクソソームとは全ての細胞から放出される直径約20~120 nmの脂質二重膜であり、タンパク、mRNA、microRNA等を内包していると報告されている。また、エクソソームは産生細胞の形質を受け継ぐと言われており、本研究では血管新生能が高く、また、比較的扱い易く、移植細胞として安全性が高い間葉系幹細胞由来のエクソソームを用いて研究を実施した。 間葉系幹細胞を無血清培地で培養し、その培養上清からエクソソームを回収する方法を検討した。無血清培地は、CiMSTM-BM(基礎培養液)とCiMSTM-sAF(アニマルフリーサプリメント)(株式会社細胞科学研究所)を用いた。無血清培地で培養した間葉系幹細胞が産生するエクソソームに内包されているタンパクを解析するために、3日間培養したconditioned mediaに含まれる成長因子およびエクソソーム内包されている成長因子をELISAで測定した。conditioned mediaに含まれるエクソソームは、Total Exosome Isolation Reagent (from cell culture media)(Thermo Fisher Scientific)で単離した。無血清培地で培養したエクソソームは、VEGF、HGF、PDGF-BB、Angiopoietin-1等の成長因子を内包していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
無血清培地で培養した幹細胞由来のエクソソームの単離、および、エクソソームに内包されている成長因子を確認することが出来たため。
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今後の研究の推進方策 |
マウス脊髄虚血モデルに対して、エクソソームを投与するタイミングを検討することで、エクソソーム投与が下肢麻痺を防ぐことが可能か検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、プラスミド作製費が当初の予定額よりも抑えることが出来たためである。この次年度使用額は、翌年年度の実験動物購入費として使用する。
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