研究課題/領域番号 |
18K08792
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
長谷川 剛生 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (80532530)
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研究分担者 |
井上 卓哉 福島県立医科大学, 医学部, 病院助手 (00791477)
鈴木 弘行 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30322340)
塩 豊 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90433151)
武藤 哲史 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (90722570)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | センシングデバイス / GGN / 肺野微小病変 |
研究実績の概要 |
本研究では視触診困難な肺野微小病変、特にCTですりガラス陰影(Ground-glass nodule; GGN)を呈する結節を客観的に描出することを最大の目的としている。東京工業大学未来産業技術研究所で初期開発された発光式センサを応用・発展させていき、実臨床への導入が可能か検証していく計画である。初期開発デバイスでの検討では視触診で容易に判断可能な充実成分主体の結節では検知が可能であったが、GGNを呈する結節同定は困難であった。その後3Dプリンタを使用して作成したプローブカバーを用いた改良デバイスを作成して、新たに結節同定を試みたが、やはり実際のGGN症例を圧センサを主とするデバイスで同定するのは難しいことがわかった。何例かの摘出肺組織で試みても、強く圧をかけると触知したように反応してしまうし、弱く圧をかけると充実性結節のある症例でもセンサの反応が得られないという状況であった。 このような状況を繰り返す中で、改良型デバイスのさらなる試用経験調整を試みていたところで新型コロナウイルス流行により、本研究アドバイザーの東京工業大学未来産業技術研究所との打ち合わせもはかどらなくなったこともあり、進捗が停滞したまま2019年度が終了している。昨年度から光センサ開発についての検討がなされてはいたが、前述のように年度末に計画していた打ち合わせ自体が進まなくなっていた。 そのような中で本研究申請者が新年度から学外勤務することとなり、研究遂行施設を当施設のみでなく、異動先の施設でも行える体制構築が必要となっている。本研究は実臨床で摘出した肺組織を用いて行うデザインであるため、学外施設でも倫理委員会の承認が得られれれば遂行可能と判断している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当施設は福島県では研究を推進すべき代表的施設である一方、地域医療の基幹施設であり、近年の肺癌治療に係る薬物療法の企業治験にかかわることも多い。実際の臨床では周術期成績を向上させる企業治験に関係した手術が優先されたり、進行肺癌で急ぎ手術を行うべき症例が優先されることは多く経験する。 また主たる担当者が雑務に追われ、業務負担を本研究に十分に当てることができず、GGN症例手術に積極的に参加することができなかったこと、共同研究者に本研究推進の代行依頼できなかったことも進捗が遅れていることの原因のひとつといえる。
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今後の研究の推進方策 |
主たる担当者が2020年4月をもって学外施設へ異動となった。異動先施設は常勤医がこの研究者1名であるため、すべての手術で術者を務める事となるため、大学病院よりもむしろ手術に参加する機会は増えると考えられる。 そのため本研究を異動先の白河厚生総合病院倫理委員会に提出し、研究遂行の承認を取得した。 同時に実臨床応用へむけたデバイス開発を進めたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究進捗により学会報告や論文作成に関して使用する研究費が発生するため。
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