研究課題/領域番号 |
18K08793
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
星野 実加 福島県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (00464511)
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研究分担者 |
鈴木 弘行 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30322340)
塩 豊 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90433151)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 画像評価 / コンピューターアシスト / イメージプロセッシング |
研究実績の概要 |
当院で過去5年間に外科的肺切除+縦隔リンパ節郭清の行われた原発性肺癌症例148例を対象とした.これらの症例における262リンパ節を解析対象とした.うち100個は転移陽性リンパ節,162個は転移陰性リンパ節であった.これを上記の方法に従いPET-CTにおけるリンパ節のSUVmax, Hounsfield Unit (HU) の最低値、平均値、総ピクセル数を加え解析したところ,minimum HU + average HU + total pixel number + SUVmax value (SUVmax)を用いてロジスティック回帰分析を行なった際,AUC = 0.89であった.SUVmaxをさらにSUVmax texture analysisとしたところ、最も優れたAUC = 0.95の診断能を示した. その後肺所属リンパ節全てを対象に前向き試験としての診断能検証を試みたが,解析に多大な時間と労力を要することから術前画像の前向き解析は困難を極めた.その原因として,CTやPET-CT画像から多数のリンパ節部分を抽出し,それをひとつひとつ解析しなければならないという点が最大の課題と考えられた.理想的にはCTやPET-CT画像から自動的にリンパ節部分が抽出され(画像のセグメンテーション),その後われわれの方法に従い計算され転移陽性と診断されるリンパ節が画像上視覚的に認識できるように表示されることが望ましい.リンパ節部分のセグメンテーションはまた別個の研究が必要であるためこれを人間が行うとしても,例えばCT画像上でリンパ節だけをトリミングすれば同一PC上で計算結果が判明するような自動計算ソフトの開発が不可欠と考えられた. 本研究開始当初と比較して肺癌治療の進歩もさることながら,画像解析におけるAIの開発も飛躍的に進歩している.それらの技術をうまく利用しながら本研究結果を発展できるような方策を探っていきたい.
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