研究課題
肺癌完全切除後の転移・再発は体内に残存する遺残遊離癌細胞から生じ、末梢血循環癌細胞(Circulating Tumor Cell: CTC)はそのサロゲートと考えられている。近年、CTCのなかでもcluster CTCが転移・再発予測因子と考えられ、それらは上皮・間葉の両方の成分を備え、anti-anoikis、tumorgenesis、migration、adhesionのポテンシャルの高いhybrid epithelial-mesenchymal transition (EMT)/ mesenchymal-epithelial transition (MET) (hybrid E/M)の状態であることが示唆される。本研究は肺癌手術症例におけるhybrid E/Mの探索を目的としている。本研究の方法は、①まず過去の肺癌切除症例の腫瘍の病理組織を用いてhybrid E/Mと予後との関連を検討し、①で予後との相関関係が認められれば、引き続いて、②臨床的に前向き介入試験を行うこととしている。現時点では①の研究段階である。少数のサンプルで網羅的に病理組織の染色を行い、探索因子であるhybrid E/Mをより反映する試薬を選定した。平成31年度はhybrid E/Mを反映する試薬の同定ならびにその解析、検討に研究時間を要した。今後、同定した試薬を用いて、サンプルサイズを増加し検討を行なう方針である。現時点では、hybrid E/Mと予後に関連した因子が同定されるものと考えられる状況である。並行して、肺癌手術症例の予後因子の検討をhybrid E/Mの他にも、多角的に行い、今後の多変量解析ためのデータ集積および解析を行い、その成果の研究発表を行った。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (5件)
In Vivo
巻: 34 ページ: 779~785
10.21873/invivo.11838
巻: 33 ページ: 973~978
10.21873/invivo.11566
Anticancer Research
巻: 39 ページ: 4249~4252
10.21873/anticanres.13587
巻: 39 ページ: 6829~6834
10.21873/anticanres.13899
胸部外科
巻: 72 ページ: 567~569